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おでんを煮込んで味見をしたら、「あれ、思ったより薄いな」と感じたことはありませんか。
おなかを空かせた家族が待っているのに、どこから直せばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、煮汁を小皿にとって足りない味を見極め、調味料を少しずつ足していくと、おでんの薄さは立て直しやすくなります。
ただし、「煮汁が薄い」のか「具材の中まで味が入っていない」のかで、対処はまったく違います。
煮汁がしっかり濃いのに具だけが薄い場合は、調味料を足すと塩辛くなってしまうため、冷まして染みさせる方法が合っています。
この記事では、おでんの味が薄くなる原因から、調味料を使った濃くする方法、煮詰めたり練り物を足したりする方法、冷まして味を染みさせるコツ、市販のおでんの素を使うときの調整、薄味のまま楽しむ味変のアイデアまでを紹介します。
おでんの味が決まらずに困っている方も、次こそ失敗せずに作りたい方も、状況に合った直し方を選びやすくなるでしょう。
薄い原因を見分けて少しずつ味を整えると、いつものおでんがより食べやすくなる傾向があります。
この記事でわかること
- 煮汁を味見して、塩味・甘み・旨味のどれが足りないかを見極める手順
- 調味料を足す方法と、煮詰める・練り物を足すなど調味料を使わない方法
- 冷まして具材に味を染みさせるコツと、安全に保存して温め直すときの注意点
- 次から味が薄くならないための煮汁の作り方と、市販のおでんの素の選び方
- おでんの味が薄いときは?煮汁を味見して足りない味を調味料で少しずつ補えばすぐ濃くなる
- おでんの味が薄くなるのは煮汁の量と具材のバランスが崩れているから
- 調味料を足さずに味を濃くするなら煮詰めるか練り物を足す
- 旨味やコクが足りないときはオイスターソースやだしの素を隠し味にする
- 一度冷ますと具材に味が染みるので火を止めて1〜2時間以上置く
- 水を足して薄まった煮汁はだし・醤油・みりんを元の比率で足し直す
- 市販のおでんの素で薄いときは水の量を見直して同じ素で調整する
- 薄味のおでんはからしやゆず胡椒、味噌だれで味変するとおいしく食べられる
- 大根やこんにゃくに味を染みさせるには下ごしらえと火加減が決め手になる
- 次から失敗しないためにはつゆを黄金比で作り市販の素は好みのタイプで選ぶ
- 味が薄くなりにくい実在のおでんの素・白だしならつゆ作りで失敗しにくい
- まとめ
おでんの味が薄いときは?煮汁を味見して足りない味を調味料で少しずつ補えばすぐ濃くなる

おでんの味が薄いと感じたときは、煮汁を味見して足りない味を見極め、調味料を少しずつ足すと濃くしやすくなります。
慌てて醤油をたっぷり入れると、塩辛くなって戻しにくくなります。
手順はシンプルで、煮汁を味見して、塩味・甘み・旨味のどれが足りないかを考え、少量足してまた味見するだけです。
この「少しずつ」と「そのつど味見」さえ守れば、失敗はぐっと減ります。
なお、煮汁はしっかり濃いのに具材だけが薄い場合は、調味料を足す場面ではありません。
その対処は後のセクションで紹介するので、ここでは煮汁そのものが薄いケースを扱います。
具材ではなく煮汁だけを小皿にとって足りない味を見極める
味見は、具材ではなく煮汁だけを小皿にとって行います。
大根やこんにゃくをそのまま食べると、煮汁が濃くても中まで味が入っていないだけで「薄い」と感じてしまい、判断を誤るからです。
熱いままだと塩味を感じにくいので、小皿の煮汁は少し冷ましてから口に含むのがコツです。
おたまで軽くすくい、スプーンで一口分を確かめましょう。
味見をしたら、感じた印象から足りない味を探します。
目安は次の表のとおりです。
| 味見の印象 | 足りない味 | 足すもの |
|---|---|---|
| 水っぽくて輪郭がない | 塩味 | 塩・白だし |
| 塩気はあるが平坦で物足りない | コクと旨味 | 醤油・めんつゆ |
| 角があってとがった印象 | 甘み | みりん・砂糖 |
複数が当てはまることもありますが、まずはいちばん気になる味をひとつだけ補うことをお勧めします。
補ったあとにもう一度小皿で確かめれば、次に何を足すか自然と見えてきます。
色を濃くしたくないときは塩か白だしで塩味を足す
煮汁の澄んだ色を保ちたいときは、塩か白だしで塩味を足します。
醤油を使うと色が一気に濃くなるので、見た目を変えたくない場合に向いた方法です。
塩はひとつまみずつ加えて、煮汁によく溶かしてから味見します。
溶け残ったまま判断すると、あとから塩気が強く出ることがあるので注意してください。
白だしは旨味も一緒に足せるのが利点です。
ただし商品ごとに濃縮倍率や塩分が違うため、分量は商品の表示に従い、まず少量から試しましょう。
ここで気をつけたいのが薄口醤油です。
薄口は色が薄いだけで、塩分は濃口醤油より高めなので、「色が薄い=塩気が控えめ」と考えて入れすぎると塩辛くなります。
使うなら小さじ1/2程度の少量から様子を見てください。
醤油やめんつゆは小さじ1ずつ加えて塩味とコクを同時に補う
色が多少濃くなってもよければ、醤油やめんつゆは塩味とコクを同時に補えるので便利です。
分量は小さじ1ずつを目安に加え、そのたびに混ぜて味見します。
家庭用の鍋で煮汁が2Lほどなら、小さじ1でも味の変化ははっきり出ます。
変化が足りなければ、もう小さじ1を加える流れで十分です。
めんつゆも商品によって濃縮倍率や塩分が異なります。
ストレートタイプか濃縮タイプかを確認し、表示に従って少量ずつ使うと、思わぬ塩辛さを避けられます。
一度に大量に入れるのは失敗のもとです。
塩辛くなってから水で薄めると、今度は旨味まで抜けてしまいます。
調味料を足したら、煮立たせずに弱火で数分温めて、全体をなじませてから最後の味見をしましょう。
甘みが物足りないときはみりんや砂糖をひとつまみ足して味をまとめる
塩気は足りているのに味がとがって感じるときは、甘みが足りていない場合があります。
みりんや砂糖を少し加えると、角が取れて全体がまるくまとまります。
みりんは小さじ1程度から加え、弱火で軽く温めてなじませます。
砂糖はひとつまみずつ入れ、煮汁によく溶かしてから味見してください。
甘みは足しすぎると、おでんらしい出汁の風味が隠れてしまいます。
甘みはあくまで塩味を引き立てる脇役と考え、「ほんのり感じる」くらいで止めるのがちょうどよい加減です。
仕上げにもう一度、小皿で味を確かめましょう。
それでも物足りなければ、塩味か旨味に戻って少量ずつ調整していくと、バランスよく整います。
おでんの味が薄くなるのは煮汁の量と具材のバランスが崩れているから
おでんの味が薄くなる一般的な原因として、煮汁の量と具材の量のバランスが崩れていることが挙げられます。
調味料の分量が合っていても、汁が多すぎたり、水分の多い具材ばかり入れたりすると、味はぼやけてしまいます。
まず、原因を切り分けて考えましょう。
煮汁そのものの塩味が足りないのか、煮汁は濃いのに具材の中まで味が入っていないのかで、対処が変わります。
下の表は、よくあるパターンの目安です。
| 状態 | 主な原因 | 考え方 |
|---|---|---|
| 煮汁も具材も薄い | 汁が多い・水分の多い具材が多い | 汁と具材の量を見直す |
| 煮汁は濃いが具材が薄い | 味が染みる時間が足りない | 調味料は足さず、時間をかける |
| 煮汁に旨味が乏しい | 出汁が出る具材が少ない | 具材の組み合わせを見直す |
具材の量に対して煮汁が多すぎると味がぼやける
鍋にたっぷり汁を張ると安心ですが、具材に対して煮汁が多いと、塩分や旨味が全体に薄く広がります。
見た目は豪華でも、食べると「何か物足りない」という味になりがちです。
煮汁の量は、具材がほぼ浸るか、頭が少し出る程度が目安です。
具材が泳ぐほど入れる必要はありません。
煮ている間に具材から水分が出ることも考えて、最初は少なめに入れておくほうが失敗しにくいでしょう。
足りなければあとから足せますが、多すぎる汁を減らすには煮詰める手間がかかります。
汁が多いからといって、そのまま調味料を大量に足すのは避けてください。塩辛くなると調整が難しくなる傾向があるため、量の見直しを先に考えましょう。
大根や白菜など水分の多い具材から出る水で煮汁が薄まる
大根や白菜は、水分をたっぷり含んだ具材です。
加熱すると細胞から水が出て、鍋の中の煮汁を少しずつ薄めていきます。
そのため、最初にちょうどよく感じた味でも、煮込むうちに薄くなることがあります。
水分の多い具材を入れるなら、煮汁は最初から少し濃いめに作っておくと、仕上がりが整いやすくなります。
具材を入れる前に下茹でして水分を出しておく方法もあります。
ただし、入れる量が多いほど煮汁への影響は大きくなるので、水分の多い具材ばかりを詰め込まないことも大切です。
大根・こんにゃく・卵など味を吸う具が多く出汁を出す練り物が少ない
大根、こんにゃく、卵は、煮汁の味を吸い込む側の具材です。
これらが多くて、煮汁に旨味を出す練り物が少ないと、汁の味を具材が奪うばかりになり、全体が薄く感じられます。
ちくわやはんぺん、さつま揚げなどの練り物は、煮ることで魚の旨味が煮汁に移ります。
吸う具材と出汁を出す具材のバランスが取れているかを、鍋の中を見て確認してみましょう。
- 味を吸う具材:大根、こんにゃく、卵、厚揚げなど
- 旨味を出す具材:ちくわ、さつま揚げ、ごぼう天など
- 水分を出す具材:大根、白菜など
この3つの割合を意識すると、同じ分量の調味料でも味の入り方が変わってきます。
吸う具材が多いときは、練り物を加えて旨味を補うと整いやすくなります。
なお、煮汁は濃いのに具材だけが薄い場合は、調味料を足す必要はありません。
火を止めて冷ましながら味を染みさせるなど、時間で解決する方法が合います。
調味料を足さずに味を濃くするなら煮詰めるか練り物を足す

調味料を足したくないときは、煮汁を少し煮詰めるか、練り物を加えて旨味を煮汁に移す方法が使えます。
塩分を増やさずに、味の輪郭をはっきりさせられるのが良いところです。
煮汁が水っぽくて薄い場合は、水分を飛ばすか旨味の元を足すかのどちらかで整います。
まずは鍋の状態を見て、どちらが合うかを選びましょう。
| 方法 | 向いている状態 | 目安 |
|---|---|---|
| 煮詰める | 煮汁の量が多く、全体に水っぽい | 弱めの中火で数分ずつ、そのつど味見 |
| 練り物を足す | 塩味はあるが旨味やコクが物足りない | 鍋の大きさに合わせて2〜3種類程度 |
| 吸う具材を足す | 煮汁が余っている | 大根や厚揚げを少しずつ追加 |
蓋を外して弱めの中火で煮詰める
煮汁が多くて薄いときは、蓋を外して水分を飛ばします。
火加減は弱めの中火にして、表面が静かにふつふつする程度を保つのがコツです。
強火でグラグラ煮立たせると、煮崩れや練り物の膨張、煮汁の濁りにつながります。
時間がかかっても、おだやかな火加減のほうが仕上がりはきれいです。
煮詰める時間は、まず3〜5分程度を目安にしてください。
ここで一度、小皿に煮汁をとって味を見ます。
足りなければ数分ずつ追加し、そのつど確認する進め方なら、煮詰めすぎの失敗を防げます。
煮詰めている間は火のそばを離れず、焦げ付きや空焚きに注意が必要です。火を点けたまま外出したり、目を離したりするのは避けましょう。
煮詰める間は崩れやすい具材を一度取り出しておく
煮汁を煮詰めるときは、先に崩れやすい具材を取り出しておくと安心です。
はんぺんや卵、煮込んで柔らかくなった大根などは、長く火にかけると形が崩れやすくなります。
取り出した具材は、深めの皿やバットに移して、煮汁を少しかけておきます。
乾燥を防げるうえ、粗熱が取れる間にも少し味がなじんできます。
煮詰め終わったら、具材を鍋に戻して温め直します。
戻したあとも煮立たせず、弱火でゆっくり温めましょう。
なお、取り出すものと残すものは次のように分けると迷いません。
- 取り出す:はんぺん、卵、柔らかくなった大根、もち巾着など
- 残してよい:こんにゃく、ごぼう天、昆布など比較的しっかりした具材
ちくわ・さつま揚げ・ごぼう天を追加して魚の旨味を煮汁に移す
煮汁に塩味はあるのに、どこか物足りないと感じるときは、練り物の追加が役に立ちます。
ちくわやさつま揚げ、ごぼう天は、煮るあいだに魚の旨味が煮汁へ溶け出します。
調味料で補うよりも、味に厚みが出て、やさしい仕上がりになります。
塩味を増やさずに旨味を足しやすいので、塩辛くなるリスクが比較的低いのも利点です。
入れる量は、いきなり多くせず、2〜3種類を少量ずつ加えるところから始めましょう。
ちくわは斜め半分に切ると煮汁が入りやすく、さつま揚げは熱湯をかけて油を落としてから入れると、煮汁が重くなりすぎません。
加えたあとは、弱火で10〜15分程度を目安に煮て、煮汁を味見します。
商品によって塩分が異なるため、練り物を足したあとは味がしっかりしてくる場合があります。
そのときは調味料を足さず、そのまま様子を見てください。
煮汁が多すぎるなら大根や厚揚げを足して汁を吸わせながら煮直す
鍋に煮汁が余って全体が薄いときは、味を吸う具材を足す方法もあります。
大根や厚揚げは煮汁をよく吸うので、汁の量を減らしながら具材に味を移せます。
大根は厚めの輪切りにして、あらかじめ下茹でしておくと煮汁が濁りにくくなります。
厚揚げは熱湯をかけて油抜きをしてから、食べやすい大きさに切って入れましょう。
追加したら、弱火でコトコトと煮ます。
大根は味が入るまでに時間がかかるので、20〜30分程度を目安に、ようすを見ながら進めてください。
煮汁は濃いのに具材だけが薄い場合は、煮詰める必要はありません。
火を止めて粗熱を取り、ふたをして冷蔵庫に入れて、時間をかけて味を染みさせるほうが合います。
旨味やコクが足りないときはオイスターソースやだしの素を隠し味にする
塩気はあるのに「何か物足りない」と感じるおでんは、オイスターソースやだしの素を少量足して旨味を補う方法が合います。
塩味が足りない場合と違い、調味料の量を増やすのではなく、旨味の成分を足すイメージです。
ここで紹介する3つはどれも、入れすぎると味の方向が変わってしまいます。
煮汁を小皿にとって味見し、少量ずつ足してそのつど確かめながら進めましょう。
| 隠し味 | 足せるもの | 最初の目安 |
|---|---|---|
| オイスターソース | 魚介のコク・深み | 数滴から |
| 顆粒だしの素 | 昆布やかつおの旨味 | ひとつまみ程度から |
| 日本酒 | 風味の深み・まろやかさ | 小さじ1程度から |
量はあくまで目安です。
鍋の大きさや煮汁の量によって感じ方が変わるので、少なめから始めてください。
オイスターソースは数滴から加えて魚介のコクを足す
オイスターソースは牡蠣のエキスを使った調味料で、少し加えるだけで煮汁に奥行きが出ます。
おでんの煮汁に数滴たらすだけで、魚介のコクがふわっと加わります。
入れる量は、まず数滴からで十分です。
小皿にとった煮汁に落として味見をし、物足りなければ鍋に数滴ずつ足していきます。
オイスターソースにも塩分や甘みが含まれているため、足すと同時に塩味も少し強くなります。
煮汁の塩味が足りている状態で入れれば、味の輪郭がはっきりしてきます。
入れすぎるとオイスターソースの風味が前に出やすく、おでんらしさが変わる傾向があります。一度に大量に足すと調整が難しくなりやすいため、少量ずつ、味見をはさみながら加えることをお勧めします。
顆粒だしの素で昆布やかつおの旨味を補う
煮汁に出汁の香りが足りないときは、顆粒だしの素が手軽です。
昆布やかつおの旨味を直接足せるので、ぼやけた味を整えやすくなります。
分量は商品によって違うため、パッケージの表示を確認してください。
最初は表示の使用量よりも控えめに、ひとつまみ程度から始めるのが安心です。
顆粒だしの素には塩分が含まれている商品が多くあります。
足したあとに味見をして、塩味が十分なら醤油などは追加せずにそこで止めましょう。
顆粒は煮汁に直接ふり入れると、ダマになる場合があります。
少量の煮汁でよく溶かしてから鍋に戻すと、全体になじみやすくなります。
日本酒を加えてひと煮立ちさせ風味に深みを出す
料理に使う日本酒は、素材のくさみをやわらげ、煮汁にまろやかな深みを出してくれます。
家にある日本酒や料理酒を、小さじ1程度から加えてみましょう。
加えたら、弱めの火でふつふつと温め、アルコール分を飛ばします。
ひと煮立ちといっても、グラグラと沸騰させる必要はありません。
煮崩れや煮汁の濁りにつながるので、静かに温める程度にとどめてください。
火を使う作業なので、加熱中は鍋のそばを離れないようにしましょう。
吹きこぼれや焦げ付きに気を配りながら、様子を見て火を止めます。
料理酒には塩分が加えられている商品もあります。
足したあとに必ず味見をして、塩味が強くなっていないか確かめてください。
隠し味を足したあとの仕上げ方
- 足したあとは、小皿にとって味見をする
- 物足りなければ、同じ調味料をほんの少しだけ追加する
- 味が整ったら火を止めて、粗熱を取る
煮汁の味は整っているのに具材の中が薄いときは、隠し味を足しても解決しません。
その場合は、冷まして味を染みさせる方法に切り替えてください。
一度冷ますと具材に味が染みるので火を止めて1〜2時間以上置く

煮汁の味は悪くないのに具材の中が薄いときは、調味料を足さず、火を止めて冷ます時間をとれば味が染みていきます。
煮ている間より、冷めていく間のほうが味はなじみやすいからです。
ただし置き方には決まりがあります。
室温に置くのは粗熱が取れるまでにとどめ、そのあとは冷蔵庫に移します。
温度が下がるときに煮汁が具材の内側へ入り込む
おでんの具材は、熱いうちは中の水分や空気が膨らんだ状態です。
火を止めて温度が下がると、具材がゆるやかに縮み、そのぶん周りの煮汁が内側へ引き込まれていきます。
これが、冷ますと味が染みると言われる理由です。
煮ている間にぐつぐつ動かし続けるより、静かに置いておくほうが具材の芯まで味が入りやすくなります。
大根やこんにゃくのように厚みのある具材は、特にこの差が出ます。
煮汁を味見して濃さが足りているなら、味を足すより先に冷ます時間を作るのが近道です。
反対に、煮汁そのものが薄い場合は冷ましても解決しません。
その場合は最初のセクションで触れた味見の手順に戻ってください。
室温で1〜2時間、できれば半日ほど置くと味がなじむ
置く時間の目安は、次の表のとおりです。
置き場所によって上限が変わる点に注意してください。
| 置き場所 | 時間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 室温(ふた付きの鍋のまま) | 粗熱が取れるまで、2時間以内 | 火を止めて、ふたを少しずらして熱を逃がす |
| 冷蔵庫 | 2時間程度〜半日ほど | 粗熱が取れたら、ふたをして入れる |
| 冷蔵保存の期間 | 2〜3日が目安 | においや糸引きがあれば食べない |
1〜2時間でも、置かない場合に比べて味の入り方は変わります。
時間に余裕があるなら、冷蔵庫でさらに半日ほど置くと、具材の中心まで味がなじみやすくなります。
鍋ごと室温で一晩以上置くことは避けたほうがよいでしょう。煮込み料理は、置いている間に菌が増えやすく、あとから加熱しても防ぎきれない場合があります。
冬場で台所が寒くても、同じ扱いにしましょう。
時間を決めてタイマーをかけておくと、つい忘れる失敗を防げます。
長く置くときは粗熱を取ってから冷蔵庫で保存する
半日以上置くなら、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れるのが基本です。
大きな鍋のまま入れると中心まで冷えるのに時間がかかるので、小さめの保存容器に分けると早く冷めます。
熱いままの鍋を冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がって、ほかの食品にも影響します。
かといって、粗熱を取るために長く室温に置くのも避けたいところです。
- 具材と煮汁を、ふた付きの清潔な容器に分けて移す
- 具材が煮汁に浸かる状態にして、ふたをする
- 粗熱が取れたら、早めに冷蔵庫へ入れる
- 保存は2〜3日を目安にして、早めに食べ切る
取り出すときは、清潔なお玉や菜箸を使ってください。
食べかけの箸を鍋に入れると、傷みやすくなります。
食べる前は煮立たせずに弱火でゆっくり温め直す
冷やしたおでんは、食べる前に温め直します。
ここで強火にして煮立たせると、練り物が膨らんだり、大根が煮崩れたり、煮汁が濁ったりしやすくなります。
鍋を弱火にかけて、全体をよくかき混ぜながら、中心までしっかり熱が通るまで温めましょう。
沸騰させなくても、湯気が立って具材の中まで熱くなっていれば十分です。
温め直している間は、鍋のそばを離れないようにしてください。
煮汁が減って焦げ付くことがあるので、様子を見ながら火を止めます。
保存中ににおいが変だったり、煮汁に糸を引くような粘りがあったりしたら、食べずに処分してください。
もったいなく感じても、安全のほうを優先します。
水を足して薄まった煮汁はだし・醤油・みりんを元の比率で足し直す
水を足して薄くなった煮汁は、足した水の量に合わせて、だし・醤油・みりんを元の比率のまま足し直せば味が戻ります。
塩だけ、醤油だけを足すと味のバランスが崩れて、おでんらしさが薄れてしまうからです。
ここでは、煮汁に水を足したあとの直し方を、量の決め方、汁が減ったときの対処、足すときの温度の順にまとめます。
足した水の量を基準に調味料を比率どおり追加する
水を足した分だけ、煮汁全体のだし・醤油・みりんが薄まっています。
足した水の量がわかれば、その量に見合うつゆを同じ比率で作って足すだけで、元の濃さに近づきます。
たとえば水を200ml足したなら、200ml分のつゆを別に用意するイメージです。
元の比率とは、最初につゆを作ったときの割合のことです。
具体的な黄金比はあとのセクションで触れるので、ここでは「最初に作った割合をそのまま使う」と覚えておけば十分です。
| 状況 | 足し直しの考え方 |
|---|---|
| 水を100ml程度足した | 100ml分のつゆを元の比率で作って加える |
| 水を200ml程度足した | 200ml分のつゆを元の比率で作り、半量ずつ加える |
| 足した量がはっきりしない | 煮汁を味見しながら、少量ずつ足して調整する |
白だしやめんつゆ、市販のおでんの素を使っている場合は、商品ごとに濃縮倍率や塩分が違います。
薄めて使う分量は、それぞれの商品の表示に従ってください。
一度に全量を入れず、半分ほど入れて味見してから、足りなければ少しずつ足しましょう。
塩辛くなってしまうと戻しにくいためです。
また、薄口醤油は色が薄いだけで、塩分は濃口醤油より高めです。
色の感覚で入れすぎないよう気をつけてください。
汁が足りなくなったら水ではなく別鍋で作ったつゆを足す
煮ているうちに汁が減って、具材が頭を出してくることがあります。
そんなときは蛇口の水をそのまま足したくなりますが、汁が減ったときは水ではなく、元と同じ味のつゆを足すことをお勧めします。
水を足すと、せっかく整えた味がまた薄まってしまいます。
手順は次のとおりです。
- 小鍋にだし・醤油・みりんを、元の比率で合わせる
- 弱火で軽く温めて、小皿で味見する
- おでんの鍋に少しずつ注ぎ、そのつど味見する
つゆは足りなくなりそうな量より、少し多めに作っておくと慌てずにすみます。
具材が煮汁から出たままだと、表面が乾いて味が入りにくくなるので、全体が軽く浸る程度まで足しておきましょう。
別鍋で作ると、鍋の中で調味料を足すより味が均一になります。
具材にしっかり味を入れたいときは、足したあとに火を止めて、冷ます時間を取るのも手です。
足し汁は温めてから加えて鍋の温度を下げない
足すつゆは、冷たいままではなく温めてから加えます。
冷たいつゆを入れると鍋の温度が一気に下がり、元の温度に戻すまで時間がかかるからです。
温度が下がると、つい火を強くして早く戻したくなります。
ところが強火にして煮立たせると、練り物が膨らんだり、大根が煮崩れたり、煮汁が濁ったりしやすくなります。
足し汁を温めておけば、鍋は弱火のままで保てます。
足し汁の温度は、湯気が立つ程度で十分です。
ぐらぐら沸かす必要はありません。
鍋に注ぐときは、具材に直接かけず、鍋の縁に沿って静かに入れると、煮崩れを防げます。
足したあとは、鍋全体をやさしく混ぜて味をなじませます。
煮煮汁が減って焦げ付くことがあるので、火のそばを離れず、様子を見ながら温めてください。
市販のおでんの素で薄いときは水の量を見直して同じ素で調整する

市販のおでんの素で作って薄く感じたときは、水の量を見直したうえで、同じ素を少しずつ足して整えると立て直しやすくなります。
原因は素そのものより、水の量の測り方にあることが多いからです。
ほかの調味料をあれこれ足す前に、まずパッケージの記載を読み返してみてください。
ここを押さえると、味の方向性を崩さずに仕上げられます。
パッケージ記載の水の量を具材を含めて計っていないか確認する
おでんの素の袋には、水の量が書かれています。
この水の量が「つゆになる水の量」なのか、「具材を入れたあとの鍋全体の量」なのかは、商品によって書き方が違います。
鍋に具材を先に入れ、ひたひたになるまで水を注ぐと、記載より多い水を入れてしまいがちです。
素の量は決まっているので、水が増えた分だけ味は薄まります。
確認したいポイントを表にまとめました。
分量や倍率は商品ごとに異なるため、実際の数値は必ずお手元の商品の表示に従ってください。
| 確認すること | 見るところ | 薄くなる原因の例 |
|---|---|---|
| 水の量の基準 | パッケージの作り方欄 | 具材を入れたあとの量で水を足していた |
| 素の使用量 | 1袋・1個あたりの水の量 | 鍋が大きいのに素が1つだけだった |
| 計量の方法 | 計量カップを使ったか | 目分量で水を入れて多くなった |
鍋のサイズに対して素の量が足りていないケースもあります。
表示の水の量に合わない大きな鍋で作ると、同じ素でも薄く仕上がります。
薄いときは同じ素を少量追加して味の方向性を崩さない
水の量が多かったとわかったら、足すのは同じおでんの素にするのが、味の方向性を崩しにくい方法です。
商品ごとに出汁や醤油の配合が違うため、別の調味料を重ねると、元の味のバランスが変わってしまいます。
手順は、煮汁を小皿にとって味見し、素を表示の1回分より少なめに溶かし入れて、もう一度味見する流れです。
液体タイプなら小さじ1程度、粉末や顆粒タイプなら少量ずつ、先に少しのお湯で溶かしてから加えると、ダマになりません。
一度に大量に足すのは避けてください。
塩辛くなってしまうと、水で戻すのも難しくなります。追加する量は表示に従い、足すたびに味見をして、様子を見ながら進めます。
素を足したあとは、鍋を弱火のまま保ち、煮立たせないようにします。
火のそばを離れず、全体をやさしく混ぜながら味をなじませましょう。
なお、煮汁の味は濃いのに具材の中が薄い場合は、素を足す場面ではありません。
その場合は、前に触れた冷まして染ませる方法で対応します。
次からは具材から出る水分を見越して水を表示より控えめにする
次に作るときは、具材から出る水分を計算に入れておくと失敗しにくくなります。
大根や白菜、こんにゃくなどは、煮ている間に水分が出て、煮汁が少しずつ増えるためです。
目安として、水は表示の量より少し控えめにして煮はじめます。
ひたひたまで入れず、具材が半分ほど顔を出すくらいから始めてもかまいません。
煮ながら具材の水分が出てくるので、足りなければあとから足せます。
水を控える場合も、素の量は表示のままにします。
素を減らすと、味だけでなく出汁の風味も弱くなります。
- 水は計量カップで量り、目分量で入れない
- 水分の多い具材が多いときは、水を少なめにして始める
- 鍋が大きいときは、素の量を鍋のサイズに合わせて見直す
- 煮ている途中で味見して、足りなければ同じ素を少量足す
水は足せても、減らすのは手間がかかります。
最初は控えめに、そのあと味を見ながら整えるのが、市販の素を上手に使うコツです。
最新の分量や使い方は、お使いの商品のパッケージや公式サイトでご確認ください。
薄味のおでんはからしやゆず胡椒、味噌だれで味変するとおいしく食べられる
煮汁を直す時間がないときは、食べる側で薬味やたれを添えれば、薄味のおでんもおいしく食べられます。
鍋の味はそのままで、一皿ごとに好みの濃さへ寄せられるのが強みです。
家族で食べるときも、鍋は薄めのままにして、各自がたれを選ぶ形ならちょうどよく仕上がります。
まずは手元にある薬味から試してみてください。
| 味変の種類 | 足せるもの | 向いている具材の例 |
|---|---|---|
| からし・七味唐辛子 | 辛味・引き締め | 大根、牛すじ、ちくわ |
| ゆず胡椒 | 香り・塩気 | こんにゃく、はんぺん、卵 |
| 味噌だれ | 甘み・コク・塩気 | 大根、こんにゃく、厚揚げ |
| 白だし・めんつゆ | 塩気・出汁の風味 | じゃがいも、餅巾着、白滝 |
からしや七味唐辛子で辛味を添えて味を引き締める
おでんの定番の薬味といえば、からしです。
ツンとした辛味が加わると、薄めの煮汁でも味にメリハリが出て、物足りなさを感じにくくなります。
使うときは、具材の端にほんの少しのせて、かじりながら食べるのがコツです。
煮汁に直接溶かすと鍋全体が辛くなり、後から戻せません。
鍋に直接入れず、皿の端にとって少しずつ使うのが失敗しにくいやり方です。
七味唐辛子は、辛味に加えて山椒や陳皮などの香りが重なります。
牛すじや厚揚げのように、脂やコクのある具材と合わせると、さっぱりとまとまります。
辛いものが苦手な人や、小さなお子さんがいる家庭では、辛味を控えめにするか、別の味変を選んでください。
ゆず胡椒で柑橘の香りと塩気をプラスする
ゆず胡椒は、柚子の皮と唐辛子、塩を合わせた薬味です。
香りと塩気を同時に足せるので、薄味のおでんと相性がいい組み合わせです。
こんにゃくやはんぺん、卵のように、味がぼんやりしやすい具材にちょこんとのせると、味が締まります。
塩気のある薬味を使えば、鍋に調味料を足さなくても、食べる一口ごとに味を補えます。
ただし、ゆず胡椒は塩気も辛味もしっかりあります。
最初は耳かき一杯ほどの量から始めて、足りなければ足していきましょう。
商品によって辛さや塩分は違うため、パッケージの表示も見ておくと安心です。
甘めの味噌だれをつけて名古屋風に楽しむ
甘みとコクが欲しいときは、味噌だれが役に立ちます。
名古屋周辺のおでんでは、味噌だれをかけて食べる楽しみ方があると知られています。
作り方の一例は、味噌に砂糖とみりんを少しずつ混ぜて、なめらかにのばすだけです。
分量は味噌大さじ1に対して、砂糖とみりんを小さじ1ずつ程度から始め、味見しながら調整してください。
かたいときは、おでんの煮汁を少し加えるとのびやすくなります。
大根やこんにゃく、厚揚げのように、味噌の風味が合う具材にたっぷりのせて食べます。
煮汁が薄めでも、たれの濃さで満足感が出るのがうれしい点です。
味噌の種類によって塩分や甘さが違うので、使う味噌に合わせて砂糖の量を変えると、バランスがとりやすくなります。
多めに作って、冷蔵庫で保存する場合は、早めに使い切るようにしましょう。
白だしやめんつゆを小皿に取りつけだれにして食べる
鍋の煮汁を直すほどではないけれど、少し塩気が足りない。
そんなときは、白だしやめんつゆを小皿に取って、つけだれにする方法があります。
白だしやめんつゆは、商品ごとに濃縮の倍率や塩分が違います。
小皿にとる前に、パッケージの表示どおりに水で薄めて使ってください。
濃いまま使うと、塩辛くなりやすいので注意が必要です。
- 小皿に表示どおりに薄めたつゆを少量入れる
- 具材の端をちょんとつけて、味をみながら食べる
- 足りなければ、少しずつつゆを足していく
じゃがいもや餅巾着、白滝のように、味が染みにくい具材は、つけだれがあると食べやすくなります。
つけたあとの具材を鍋に戻さないようにすれば、鍋の味も崩れません。
味変はあくまで食べるときの工夫です。
具材の中まで味が染みていない場合は、先に紹介した冷まして染ませる方法も合わせて試してみてください。
大根やこんにゃくに味を染みさせるには下ごしらえと火加減が決め手になる

大根やこんにゃくの味が薄いときは、煮る前の下ごしらえと、煮るときの火加減を見直すと味が入りやすくなります。
煮汁の味は足りているのに具の中が薄い場合は、調味料を足すより、具そのものを味が入りやすい状態にするほうが近道です。
ここでは、大根とこんにゃくのひと手間と、弱火で煮るコツをまとめます。
大根は皮を厚めにむいて面取りと隠し包丁を入れる
大根は皮の内側に硬い繊維の層があり、ここが残っていると煮汁が中まで入りにくくなります。
皮は厚め(目安は1cm前後)にむいて、繊維の層をしっかり取るのがポイントです。
輪切りにしたら、角を薄く削る面取りをします。
煮ている間に角がぶつかって崩れるのを防げて、煮汁も濁りにくくなります。
さらに片面に深さ半分ほどの十字の隠し包丁を入れておくと、切り込みから煮汁が入り、火も通りやすくなります。
輪切りの厚みは3cm程度を目安にすると、味の入り方と食べごたえのバランスがよくなります。
大根は米のとぎ汁で下茹でしてから煮汁に入れる
下ごしらえをした大根は、そのまま煮汁に入れず、先に下茹でしておきます。
米のとぎ汁で茹でると、大根特有のえぐみやにおいが和らぎ、やわらかく仕上がります。
手順は次のとおりです。
- 鍋に大根とかぶるくらいのとぎ汁を入れて火にかける
- 沸いたら弱火にして、竹串がすっと通るまで15〜20分程度茹でる
- 茹で上がったら水でさっと洗い、とぎ汁のぬめりを落とす
とぎ汁がないときは、水に米をひとつまみ入れても代用できます。
下茹での時点で中までやわらかくなっていると、煮汁が染み込む通り道ができるので、おでんの鍋で煮る時間も短くて済みます。
こんにゃくは格子状に切り込みを入れて下茹でし水分と臭みを抜く
こんにゃくは水分を多く含んでいて、そのまま煮ると煮汁をはじいてしまいます。
表面に細かい格子状の切り込みを入れると、表面積が増えて味が入りやすくなります。
切り込みは深さ3〜4mm程度を目安に、両面へ入れてください。
包丁を深く入れすぎると、煮ている途中で割れることがあるので注意しましょう。
切ったあとは、沸騰したお湯で2〜3分茹でてざるにあげます。
こうすると中の水分と独特の臭みが抜けて、煮汁の味がなじみやすくなります。
アク抜き済みのタイプでも、この下茹でをしておくと仕上がりに差が出ます。
煮汁はぐつぐつ煮立たせず弱火でコトコト煮る
下ごしらえをしても、火加減が強いと味は入りません。
煮汁がグラグラ沸くと、大根が煮崩れたり、練り物がふくらんだり、煮汁が濁りやすくなったりします。
目安は、鍋の底から小さな泡がときどき上がってくる程度の弱火です。
沸騰しない火加減を保ちながら、時間をかけて煮ていきます。
火加減と状態の目安を表にまとめます。
| 火加減 | 鍋の様子 | 仕上がり |
|---|---|---|
| 弱火 | 小さな泡がときどき上がる | 形が崩れにくく、味がゆっくり入る |
| 中火以上 | 全体がボコボコ沸く | 煮崩れや濁りが出やすい |
煮ている間は、火のそばを離れないようにしてください。
焦げ付きや空焚きを防ぐため、煮汁の量もときどき確認しましょう。
煮たあとに火を止めて冷ますと、さらに味が入ります。
その手順は先に紹介したとおりなので、合わせて試してみてください。
次から失敗しないためにはつゆを黄金比で作り市販の素は好みのタイプで選ぶ
おでんの味で迷わないコツは、つゆの比率を決めておき、市販の素は味の系統とタイプで選ぶことです。
比率が頭に入っていれば、味見をしたときにどこが足りないかも判断しやすくなります。
ここからは、次に作るときに役立つ基本の考え方を整理します。
だし・醤油・みりんは16:1:1を目安に合わせる
手作りのつゆは、だし16に対して醤油1、みりん1を目安に合わせると、おでんらしい穏やかな味にまとまります。
覚えやすい数字なので、鍋の大きさが変わっても計算しやすいのがうれしい点です。
たとえばだし800mlなら、醤油とみりんはそれぞれ50ml程度です。
次の表を参考にしてください。
| だしの量 | 醤油 | みりん |
|---|---|---|
| 800ml | 50ml程度 | 50ml程度 |
| 1,200ml | 75ml程度 | 75ml程度 |
| 1,600ml | 100ml程度 | 100ml程度 |
具材から水分や旨味が出るので、最初は表の分量どおりに作り、味見をしながら調整します。
足りないと感じても、一度に入れずに少しずつ足すのが基本です。
白だしやめんつゆでつゆを作る場合は、濃縮倍率や塩分が商品ごとに違います。
この比率をそのまま当てはめず、パッケージの表示に従って薄めてください。
具材の大きさをそろえ火の通りにくいものから順に煮る
つゆが整っていても、具材の大きさがバラバラだと火の通りにムラが出ます。
大根やこんにゃくは大きめ、練り物は小ぶりといった具合に、同じ種類の中では大きさをそろえておくと、仕上がりが安定します。
入れる順番は、火の通りにくいものから先です。
大根やこんにゃく、ゆで卵、牛すじのような時間のかかる具材を先に煮て、その後に厚揚げやちくわ、はんぺんなど火の通りやすいものを加えます。
| 順番 | 具材の例 |
|---|---|
| 最初 | 大根、こんにゃく、牛すじ |
| 途中 | ゆで卵、厚揚げ、じゃがいも |
| 仕上げ前 | ちくわ、さつま揚げ、はんぺん |
練り物を長く煮続けると、煮汁を吸いすぎて食感が変わりやすくなります。
食べる少し前に加えるくらいが、旨味を煮汁に移しつつ形を保てる目安です。
煮ている間は弱火を保ち、鍋のそばを離れないようにします。
煮汁が減っていないか、ときどき確認しましょう。
市販の素は関東風・関西風・ご当地風の味の系統で選ぶ
市販のおでんの素は、味の系統で選ぶと好みに合うものが見つかります。
パッケージに「関東風」「関西風」などの表記があるので、まずはそこを見てください。
関東風は、濃口醤油を使った色の濃いつゆが一般的です。
しっかりした醤油の風味があり、ご飯にも合います。
関西風は、昆布のだしを生かした澄んだ色合いが特徴です。
薄口醤油が使われることが多いのですが、薄口は色が薄いだけで、塩分は濃口より高めです。
見た目が淡いからといって、塩分が少ないわけではありません。
このほか、味噌系やあご出汁を使ったものなど、地域色のある商品もあります。
味の傾向は商品によって違うため、気になるものは原材料や商品説明を確認してみてください。
手軽さなら顆粒やキューブ、味の調整しやすさなら液体タイプを選ぶ
素のタイプは、大きく顆粒・キューブと液体に分かれます。
どちらが優れているというより、何を重視するかで選ぶのがよいでしょう。
| タイプ | 向いている人 | 特徴 |
|---|---|---|
| 顆粒・キューブ | 手軽に作りたい人 | 計量が簡単で、保存もしやすい |
| 液体 | 味を細かく整えたい人 | 量を少しずつ加減でき、足し直しもしやすい |
顆粒やキューブは、決められた量の水に溶かすだけなので、初めてでも作りやすいタイプです。
反対に液体は、水の量で濃さを微調整しやすいため、味見をしながら仕上げたい人に向いています。
どちらも使う量は商品ごとに違います。
分量は必ずパッケージの表示を確認してから決めるようにすると、薄すぎたり塩辛くなったりする失敗を減らせます。
味が薄くなりにくい実在のおでんの素・白だしならつゆ作りで失敗しにくい

つゆ作りに不安があるなら、だしの味が組み立てられた市販の素や白だしを使うと、味がぼやける失敗を減らせます。
ここでは実在が確認できる4つの商品を、タイプ別に紹介します。
どの商品も、水の量や使う分量はパッケージの表示に従うのが前提です。
商品ごとに濃縮の度合いや塩分が違うので、他の商品の目安をそのまま当てはめないでください。
| 商品名 | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| ヤマキ 割烹白だし | 白だし(液体) | 鰹節屋のだしを使用。 味を見ながら足して調整しやすい |
| 紀文 おでん汁の素 | 顆粒の小袋 | かつお節・昆布・かに・さば節を使った定番品 |
| 茅乃舎 おでんのだしとつゆ | 調理パック(3種入り) | 複数の素材を使った本格派 |
| 味の素 鍋キューブ おでん本舗 あごだし醤油 | キューブ | 1人前から作れて、短時間で味が染みる工夫がある |
ヤマキ 割烹白だし
ヤマキ 割烹白だしは、鰹節屋のだしを使った白だしとして知られています。
鍋やおでんのレシピが用意されているため、おでんのつゆにも使いやすい商品です。
白だしの魅力は、味を見ながら少しずつ足せる点にあります。
煮ている途中でつゆが薄くなったと感じたら、小さじ1ずつ加えて、そのつど味見をすると調整しやすくなります。
色が濃くなりにくいので、具材の見た目をきれいに仕上げたい人にも合います。
ただし、白だしは商品ごとに塩分や濃縮の度合いが違います。
入れすぎると塩辛くなり、戻しにくくなるため、表示の希釈の目安を確認してから使ってください。
紀文 おでん汁の素
紀文 おでん汁の素は、顆粒の小袋タイプの定番品です。
かつお節・昆布・かに・さば節を使い、コクのあるおでんつゆが手軽に作れる商品として知られています。
小袋に分かれているので、計量の手間がほとんどありません。
初めておでんを作る人でも、袋の表示どおりの水に溶かすだけでつゆの土台ができます。
鍋の大きさに合わせて袋の数を決められる点も便利です。
具材から水分が出ることを考えると、水は表示より少し控えめにする手もあります。
最終的には味見をして、足りなければ少量ずつ調整するとよいでしょう。
茅乃舎 おでんのだしとつゆ
茅乃舎 おでんのだしとつゆは、調理パックが3種入った商品です。
複数の素材を使った本格派のおでんの素として紹介されています。
だしの風味をしっかり楽しみたい日や、人を招くときの鍋に向いています。
素材の風味を生かした味わいなので、具材そのものの味も引き立ちやすいでしょう。
パックが複数に分かれているため、使う順番や分量は説明書きに沿って進めるのが安心です。
価格や取り扱い状況は変わる場合があるので、最新の情報は公式サイトや販売ページでご確認ください。
味の素 鍋キューブ おでん本舗 あごだし醤油
味の素 鍋キューブ おでん本舗 あごだし醤油は、キューブタイプで1人前から作れる商品です。
独自の技法で短時間でも味が染みるとされています。
少人数でおでんを楽しみたいときや、残りの具材を使い切りたいときに便利です。
鍋いっぱいに作らなくてよいので、味の濃さを試しながら進められます。
あごだしの風味と醤油の味わいが特徴なので、あっさりしすぎない仕上がりを求める人にも向いています。
使うキューブの数と水の量は、パッケージの表示に合わせるのが失敗を避けるコツです。
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まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- おでんが薄いときは、煮汁を小皿にとって味見し、足りない味(塩味・甘み・旨味)を見極めてから、調味料を少量ずつ足してそのつど味見する
- 煮汁が薄いのか、具材の中まで味が入っていないのかを分けて考える。
煮汁が濃くても具が薄いときは、調味料を足さず冷まして染みさせる - 味が薄くなる主な原因は、煮汁と具材のバランスの崩れや、大根などから出る水分で煮汁が薄まること
- 調味料を足さずに濃くするなら、煮詰めるか練り物を足す。
煮詰める間は火のそばを離れず、焦げ付きや空焚きに注意する - 旨味やコクが足りないときは、オイスターソースやだしの素、日本酒を少量ずつ隠し味に使う
- 味を染みさせるには、火を止めて室温は粗熱が取れるまで(目安2時間以内)にし、その後はふたをして冷蔵庫に入れる
- 水を足して薄まったときは、足した量を目安に、だし・醤油・みりんを元の比率で足し直す。
市販の素は商品の表示に従って調整する - 薄味に仕上がっても、からしやゆず胡椒、味噌だれ、つけだれで味変すれば楽しめる
- 作り置きは冷蔵で2〜3日を目安とし、食べるときは全体を混ぜながら中心までしっかり再加熱する。
においや糸引きなど異常があれば食べない
おでんの味が薄いと感じても、慌てて調味料をたくさん入れる必要はありません。
まずは煮汁だけを味見して、塩味・甘み・旨味のどれが足りないのかを落ち着いて確かめてみてください。
煮汁の味がしっかりしているのに具材が薄いときは、調味料を足すよりも、冷ましてゆっくり染みさせるほうが合っている場合があります。
原因を分けて考えるだけで、失敗はぐっと減らせるはずです。
調味料を足すときは、少しずつ加えてそのつど味見をするのが基本です。
塩辛くなってしまうと戻しにくいので、物足りないくらいから始めると安心です。
火加減は煮立たせず、弱火でコトコト煮るのを心がけましょう。
冷まして味を染みさせたあとは、冷蔵庫で保存し、食べるときはしっかり温め直してください。
安全に気を配りながら進めれば、安心しておいしく食べられます。
次に作るときは、つゆの比率や具材のバランスを見直してみてください。
ちょっとしたコツを押さえるだけで、味の染みたおでんに近づけると思います。
ぜひ気軽に試してみてください。

