はがきの重さとは?基本知識を押さえよう
はがきサイズと重さの基準
日本の郵便はがきは、JIS規格により「100mm×148mm」というサイズが基本とされています。重量の基準は「2g以上6g以内」で、この範囲内であれば通常の郵便はがきとして63円で発送可能です。ただし、この重量を超えると“定形外郵便物”として扱われ、料金も変動します。サイズが規定内であっても、重さが基準を超えてしまうとはがきとしての扱いができなくなるため、DMや厚紙のポストカードなどを使用する場合は特に注意が必要です。見た目では違いが分かりづらいため、発送前にしっかり確認しておくことが重要です。
郵便はがきの厚さとg/m²について
はがきの厚さは、通常は約0.25mm前後とされています。これは用紙の「坪量(g/m²)」に換算すると180〜210g/m²程度に相当します。印刷会社によってはこれよりも厚い紙を使用する場合があり、その分だけ1枚あたりの重量も増します。デザイン性を高めるためにコート紙や厚紙を使うと、すぐに6gを超えてしまうことも珍しくありません。特に、写真入りや両面カラー印刷などを施す場合は、紙自体の重量だけでなく、インクや加工による重さの加算も念頭に置いておきたいポイントです。
私製はがきと通常はがきの違い
私製はがきとは、個人や企業が任意の用紙を使って作成するはがきのことを指します。これに対して、通常はがきは郵便局で販売されている63円切手が印刷済みのはがきのこと。私製はがきは自由度が高く、紙質やデザインを自在に選べる反面、規定から外れると「はがき」として扱えず、追加料金が発生するリスクがあります。私製はがきを使う際は、サイズ・厚さ・重さの3点を必ずチェックし、日本郵便が定める条件(2g以上6g以内、サイズ・厚さの制限)をクリアしているか確認してから使用しましょう。
はがきの重さと料金の関係
はがきの重さが7gと6gの違い
6gと7g、たった1gの違いでも郵便料金は大きく変わる可能性があります。6gまでは通常はがきとして取り扱われますが、7gになると“定形外郵便物(規格内)”として扱われ、料金は最低でも84円に跳ね上がります。たった1gで21円の差。これが数百通、数千通単位の発送となれば、コストに大きなインパクトを与えます。そのため、DMや案内はがきの制作現場では、用紙の選定や加工時に「重量管理」が非常に重要視されています。郵便料金を無駄に上げないためにも、常に「6g以内」の重さに収める工夫が必要です。
料金が変わる重さの目安とルール
郵便物の料金は、サイズと重さで変わります。はがきは63円で、これを超えると定形郵便物や定形外扱いになります。主なルールは以下の通りです。
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通常はがき:6g以内、63円
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定形郵便物:50g以内、84円
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定形外(規格内):100g以内、120円~
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定形外(規格外):サイズ超過で140円~
つまり、はがきサイズでも重さが6gを超えると定形郵便物として扱われ、料金は+21円。さらに100gを超えると別料金になります。サイズ・重量・厚さをトータルで管理することが、スムーズな発送とコストコントロールのカギとなります。
年賀状や喪中はがきの特別料金
年賀状や喪中はがきも、通常はがきと同じく「6g以内」であれば63円で送れます。特別な料金設定があるわけではなく、郵便はがきとしての条件を満たしていれば通常料金で送付可能です。ただし、写真付きや厚めの紙を使ったデザインは、6gを超えることが多く、知らずに投函してしまうと差出人不明で返送されたり、受取人に料金請求されることもあります。年賀状印刷サービスを利用する場合は、事前に「重量が規定内か」を確認しておくとトラブルを防げます。
発送時の注意:はがきの重さオーバーとは
基本的な発送ルールと規定
日本郵便では、はがきとして送れる条件が明確に決められています。サイズは「縦14cm~15.4cm」「横9cm~10.7cm」、厚さは「0.15mm~0.76mm」、そして重さは「2g以上6g以内」となっています。この範囲を超えると、はがきではなく「郵便物」扱いとなり、料金が変更されるため注意が必要です。特にDMや広告などの大量送付物では、見た目にははがきと変わらないものでも、重さや厚さの微妙な違いで規定から外れてしまうことがあり、発送ミスの原因になります。発送前の確認がミス防止の第一歩です。
不足や重さオーバーの際の対策
万が一、重さオーバーで料金が不足したまま投函してしまった場合、最悪の場合「料金不足」として返送されたり、受取人が不足分を支払う必要が生じるケースがあります。特にビジネス用途では相手に不信感を与える恐れがあるため、非常に注意が必要です。これを防ぐためには、発送前に実際のはがきをサンプルとして作り、郵便窓口で重さを計ってもらうのが確実です。また、切手の貼りすぎによる無駄も避けたいところ。適切な重さに仕上げ、正しい金額分の切手を貼ることで、トラブルを未然に防ぎましょう。
定形外郵便物の選択肢
もしはがきとしての重量やサイズを超えてしまった場合は、定形外郵便として発送する方法を選びましょう。たとえば、厚手のポストカードや二つ折り・圧着型の案内はがきなどは、簡単に6gを超えてしまうため、初めから「定形外(規格内)」として設計しておく方が安心です。定形外郵便は重さに応じて料金が細かく設定されており、最安で120円からスタート。事前に郵便局で実物を確認し、適切な料金と発送方法を選ぶのがベストです。見た目がはがきでも、重量・サイズが規定外なら割り切って定形外扱いにする判断も必要です。
はがきを使ったDMやポストカードの活用法
DM発送時の重さに注意
ダイレクトメール(DM)は、宣伝効果とコスト効率の両方を狙えるツールですが、「重さ」に関する知識が不足していると逆にコストが増えてしまうことも。特に、情報量を増やそうとして両面カラー印刷にしたり、厚紙を使って高級感を出そうとすると、すぐに6gを超えてしまいます。その結果、1通あたりの郵送費が21円上がるだけでなく、発送作業が二度手間になることも。DM戦略を成功させるには、コスト計算だけでなく、仕様設計時点から「6g以内」に収まる設計が欠かせません。
ポストカード作成時のポイント
ポストカードは、写真やイラストを使ったデザインが魅力的なツールですが、紙質や印刷方式によっては重さの管理が非常に難しくなります。たとえば、光沢のあるコート紙や厚手のマット紙を使うと、見栄えは良いものの、1枚で7g近くなることもあります。裏面のインク量も加味すると想定外にオーバーしてしまう可能性があるため、印刷会社との打ち合わせ時には「重量制限あり」と明示することが重要です。仕上がりサンプルを1枚作成し、実際に重さを測ってから量産するのが確実です。
圧着はがきのコストメリットとは
圧着はがきとは、開封すると中面に情報がある折り込みタイプのはがきです。主にDMやキャンペーン案内に用いられ、情報量の多さと目立ちやすさから効果的なツールとされています。一見重たく見える圧着はがきでも、素材選定と加工方法によっては6g以内に抑えることも可能です。また、通常のはがきよりも内容量が多くても「はがき扱い」で送れるため、コストパフォーマンスが非常に高くなります。制作会社によっては「郵便対応済み圧着はがき」を用意しているため、そうした業者を利用すればコスト削減と効果の両立が可能です。
はがき重さオーバーの検討:具体的な対策
デザインや印刷の選び方
はがきの重さオーバーを防ぐには、制作段階での設計がカギになります。特に紙の種類と印刷面積が重量に大きく影響するため、選定には慎重さが求められます。たとえば、光沢のあるコート紙や高級感のある厚手紙は見栄えが良い反面、重量が増えやすい傾向にあります。可能であれば、マット系の中厚紙(180g/m²前後)を使用し、両面印刷でもインク量を抑える工夫をするのがポイント。また、ベタ塗りの面積を少なくする・写真の解像度を調整するなど、印刷データでも重さに影響が出ることを意識するとトータルで抑えられます。
直前の校正での注意点
印刷前の最終チェック時、重さの確認は見逃しがちなポイントです。いざ印刷が完了してから「思ったより重かった…」では、差し戻しや追加料金が発生するリスクがあります。そのため、校正時に1枚を実寸サイズで出力し、実際に郵便秤で重量を確認するのが理想です。特に複数デザインを用意している場合や、異なる用紙を試す場合は、それぞれについて重さを測るクセをつけましょう。また、封入物がある場合は封入後の重量を計る必要があります。見落としがちな「最終確認のひと手間」が、トラブル回避につながります。
大量発送時の効率化方法
数百〜数千枚単位のはがきを送る際には、発送ミスが起こりやすくなります。そのため、あらかじめ「郵便料金別納」の利用や「郵便局持ち込みの一括計量」を行うことで、重さ超過や料金不足のリスクを軽減できます。また、印刷会社によっては郵便局対応の「事前重さチェック」や「郵便局持ち込み代行」などのサービスも提供されており、こうした外注サービスを活用することで、作業負担とミスの両方を減らすことが可能です。DMや広報ツールとして使う場合は、コスト管理と実務の効率化をセットで考えるのが成功の秘訣です。
まとめ:後悔しないためのリスト
はがき制作に必要な要素のチェックリスト
はがきを制作する際は、以下のポイントを押さえておくと失敗を防げます。
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サイズ:100×148mm以内か
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重さ:2g以上6g以内に収まっているか
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厚さ:0.15mm〜0.76mmの範囲内か
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デザイン:余分なインクや加工がないか
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用紙:厚すぎない・軽量な紙を使用しているか
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加工:圧着や特殊加工を行う場合は重量に配慮されているか
これらを事前に確認しておくことで、制作後のトラブルや想定外の郵送コストを避けることができます。
発送前に確認するべきポイント
投函する前の「最終チェック」も重要です。以下を確認しましょう。
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重さは6g以内に収まっているか?(郵便秤などで測定)
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切手の貼付は正しい金額か?(重さに応じて)
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宛名・差出人情報に誤りはないか?
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はがきとしての規定をすべて満たしているか?
特にビジネス用途で送るDMや案内状などでは、相手への印象にも関わるため、慎重に確認することが大切です。
賢い発送をするためのまとめ
はがきは、シンプルでありながらも制限が多く、軽視すると送料が増えたり、返送されるといったリスクがあります。重さの管理は非常に重要で、たった1gの違いでコストが大きく変わることもあります。だからこそ、印刷前・発送前の段階でしっかりと重量をチェックし、規定内に収める工夫が求められます。適切な紙の選定、印刷設計、発送方法を事前に整えておけば、スムーズに、そして無駄なくはがきを活用できます。
後悔しない発送のために、チェックと対策を“今”から始めておきましょう!