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テラタームを使い始めたものの、コマンドの種類が多くてどれを覚えればいいのか分からず、入力の途中で手が止まってしまうことはありませんか。
結論からいえば、テラタームでよく使うコマンドは、接続先のLinuxサーバを操作するpwd・cd・ls・chmodなどの「Linuxコマンド」と、テラターム自体を自動制御するconnect・wait・sendlnなどの「TTLマクロコマンド」の2種類に分けて覚えると、整理しやすい傾向があります。
ただし、この2種類は役割がまったく異なるため、どちらの話をしているのかを混同したまま覚えると、思うように動かない原因になることがあります。
この記事では、基本のLinuxコマンドの使い方から、権限変更を行うchmod・chown、接続作業を自動化するTTLマクロ、ログ保存や履歴の活用まで、テラタームでよく使うコマンドを整理して紹介します。
これからテラタームでサーバ操作を始める方も、コマンドの使い分けを見直したい方も、必要な操作を探しやすくなるでしょう。
Linuxコマンドとマクロコマンドを分けて理解することで、テラタームでの作業をより効率的に進められる可能性があります。
この記事でわかること
- テラタームでよく使うLinuxコマンドの基本操作と入力の順番
- ファイル・ディレクトリ操作やchmod・chownによる権限変更の方法
- SSH接続の始め方とTTLマクロによるログイン作業の自動化
- ログ自動保存や履歴呼び出しなど入力の手間を減らす設定
- テラタームでよく使うコマンドは?pwd・cd・ls・manの4つから覚える
- ファイルとディレクトリの操作はmkdir・cp・mv・rmで完結する
- ファイルの中身はcat・less・viで確認と編集を使い分ける
- 権限変更はchmodで行い、所有者の変更はchownが担当する
- Tera Termはポータブル版を解凍してttermpro.exeを実行すれば使い始められる
- SSH接続はホスト欄にIPアドレスを入れてSSH2を選ぶだけで始まる
- TTLマクロを使えば定型のログイン作業を自動実行できる
- メニュー操作からもマクロ実行やファイル転送のコマンドを呼び出せる
- ログ自動保存と履歴呼び出しを設定すると入力の手間とミスが減る
- Tera Termとコマンドプロンプトは「接続先のOSを操作するか手元のWindowsを操作するか」で使い分ける
- まとめ
テラタームでよく使うコマンドは?pwd・cd・ls・manの4つから覚える

テラタームでSSH接続したあとにまず覚えておくと便利な、pwd・cd・ls・manという4つのLinuxコマンドがあります。
これらは接続先のサーバ側で動く操作であり、テラターム自体の機能ではありません。
これらの4つを活用することで、サーバの中をより安全に操作しやすくなります。
pwdで今どこのディレクトリにいるかを確認する
サーバに接続した直後、自分が今どの場所にいるのか分からなくなることがよくあります。
そんなときに使うのがpwdコマンドで、現在いるディレクトリのパスをそのまま表示してくれます。
使い方はとても簡単で、テラタームの画面にpwdと入力してEnterキーを押すだけです。
オプションも引数も基本的には不要で、結果は「/home/ユーザー名」のような形式で返ってきます。
作業を進めていくうちにディレクトリを何度も移動すると、感覚だけでは現在地を把握しにくくなります。
困ったときはまずpwdを打つ、という習慣をつけておくと迷子になりにくくなります。
特にログを確認したりファイルを操作したりする前には、pwdで現在地を確かめることが、安全な作業につながりやすいです。
cdとlsで目的の場所へ移動して中身を一覧表示する
現在地が分かったら、次はcdコマンドで目的のディレクトリへ移動します。
cdの後ろに移動先のパスを指定するだけで、階層を上下に移動できます。
移動した先に何があるのかを確認するのがlsコマンドで、そのディレクトリに含まれるファイルやディレクトリの一覧を表示してくれます。
lsだけでも一覧は出ますが、ls -laのようにオプションを付けると、隠しファイルや詳細な権限情報まで表示されるようになります。
よく使う移動パターンをまとめると次のようになります。
- cd ディレクトリ名:指定した名前のディレクトリへ移動する
- cd ..:一つ上の階層のディレクトリへ移動する
- cd ~:自分のホームディレクトリへ移動する
- cd /:一番上の階層(ルート)へ移動する
cdとlsを交互に繰り返すことで、サーバ内のディレクトリ構造を確認しながら安全に作業を進められます。
移動した直後にlsで中身を見る、という流れを習慣にしておくと操作ミスも減っていきます。
manとaproposでコマンドの使い方をその場で調べる
コマンドの使い方を忘れてしまったときに便利なのがmanコマンドです。
man コマンド名と入力すると、そのコマンドの説明書(マニュアル)が画面に表示されます。
manの画面はless形式で表示されることが多く、スペースキーで次のページへ進み、qキーで終了できます。
オプションの意味や使用例まで載っているため、うろ覚えのまま操作するよりも確実です。
コマンド名そのものがはっきり分からない場合は、aproposコマンドが役立ちます。
apropos キーワードと入力すると、そのキーワードに関連するコマンド名が一覧で表示されます。
manとaproposはその場で答えを探せる調べもの用のコマンドで、ネット検索が難しい環境でも手元だけで解決できるのが強みです。
覚えられないコマンドを無理に記憶する必要はなく、必要なときに調べる姿勢で十分です。
コマンドは「コマンド+オプション+引数」の順で入力する
Linuxコマンドの多くは、コマンド本体・オプション・引数という3つの要素で組み立てられています。
この順番を意識しておくと、初めて見るコマンドでも構造を推測しやすくなります。
例えばls -la /homeという入力では、lsがコマンド本体、-laがオプション、/homeが引数(対象)にあたります。
オプションはコマンドの動作を細かく調整する役割で、引数は操作の対象を指定する役割を担っています。
入力する際は必ず半角スペースで区切ることが基本で、全角スペースが混ざるとコマンドとして認識されずエラーになってしまいます。
特にコピーした文字列を貼り付けたときに、全角スペースが紛れ込んでいないか確認することで、失敗を減らしやすくなります。
テラタームは貼り付けた内容をそのまま送信するため、見た目では分かりにくい空白の違いにも注意が必要です。
ファイルとディレクトリの操作はmkdir・cp・mv・rmで完結する
テラタームで接続した先のLinuxサーバ上でファイルやディレクトリを扱う作業は、mkdir・cp・mv・rmの4つのコマンドで多くの操作に対応できます。
それぞれ「作る・写す・動かす・消す」という役割がはっきり分かれているため、一つずつ覚えれば混乱しにくいのが特徴です。
ここではよく使う場面を中心に、順番に見ていきます。
mkdirとtouchでディレクトリと空ファイルを作る
新しい作業場所を用意したいとき、mkdirコマンドでディレクトリを作成できます。
例えばmkdir workと入力すると、現在いる場所にworkという名前のディレクトリが作られます。
階層を一度に作りたい場合はmkdir -p work/data/logのように-pオプションを付けると、途中のディレクトリが存在しなくてもまとめて作成できます。
これを知っておくと、深い階層を用意するたびに何度もmkdirを打つ手間が省けます。
空のファイルを作りたいときはtouchコマンドを使います。
touch memo.txtと入力すれば、内容が空のmemo.txtというファイルがその場に作成されます。
すでに存在するファイルにtouchを使うと、ファイルの更新日時だけが最新に変わる仕組みになっています。
これは新規作成とは違う動きなので、既存ファイルへの上書きを心配する必要はありません。
cpでファイルをコピーし、-rでディレクトリごと複製する
ファイルを複製したいときはcpコマンドを使います。
cp memo.txt memo_backup.txtのように「コピー元 コピー先」の順で指定するのが基本の形です。
ディレクトリ全体をコピーしたい場合は、そのままcpを実行するとエラーになってしまいます。
cp -r work work_backupのように-rオプションを付けることで、ディレクトリの中身をまるごと再帰的に複製できます。
コピー先に同名のファイルがすでに存在する場合、確認なしで上書きされる設定になっていることがあります。
心配な場合はcp -i memo.txt memo_backup.txtのように-iオプションを付けると、上書き前に確認メッセージが表示されるため安心です。
作業前の状態を残しておきたいときや、設定ファイルを編集する前の保険としてコピーを取っておく使い方もよくあります。
変更を加える前に一度コピーを取っておく癖をつけておくと、後で元に戻す選択肢を保ちやすくなります。
mvで移動と名前の変更を1つのコマンドで行う
ファイルやディレクトリを別の場所へ移動したいときはmvコマンドを使います。
mv memo.txt work/のように指定すると、memo.txtがworkディレクトリの中へ移動します。
面白いのは、mvが「移動」だけでなく「名前の変更」も同じコマンドで行える点です。
mv old.txt new.txtのように同じ場所を指定すれば、ファイル名がold.txtからnew.txtへ変わります。
ディレクトリ名を変更する場合も同様で、mv work old_workと入力すればworkという名前のディレクトリがold_workという名前に変わります。
移動用のコマンドと改名用のコマンドを別々に覚える必要がないのは、mvの扱いやすい点です。
移動先に同名のファイルがある場合、確認なく上書きされることがあるため、大事なファイルを扱うときはmv -iを付けて確認しながら進めると安全です。
rmとrmdirは削除前に対象パスを必ず見直す
不要になったファイルを削除するときはrmコマンドを使います。
空のディレクトリだけを削除したい場合はrmdirコマンドを使う場面もありますが、中身が入っているディレクトリを削除する場合はrm -rを使うのが一般的な流れです。
ここで注意したいのが、テラターム上で実行するrmによる削除は、パソコンのゴミ箱のように元に戻せる仕組みではないという点です。
一度実行すると復元が困難になるため、削除する前にls コマンドで対象のファイルやディレクトリを確認することが大切です。
不安がある場合は、rm -i memo.txtのように-iオプションを付けて実行すると、削除の直前に確認メッセージが表示されます。
1件ずつ確認しながら進められるので、うっかりした削除を防ぎやすくなります。
作業を急いでいるときほど入力ミスが起きやすいものです。
削除コマンドを打つ前に一度立ち止まって対象パスを見直すという手順を習慣にしておくと、より安心感を持って作業を進めやすくなります。
| コマンド | 役割 | よく使う形 |
|---|---|---|
| mkdir | ディレクトリを作る | mkdir -p work/data |
| touch | 空ファイルを作る/更新日時を変える | touch memo.txt |
| cp | ファイルやディレクトリを複製する | cp -r work work_backup |
| mv | 移動または名前を変更する | mv old.txt new.txt |
| rm | ファイルやディレクトリを削除する | rm -i memo.txt |
ファイルの中身はcat・less・viで確認と編集を使い分ける

接続先のLinuxサーバに置かれているファイルの中身を見たいとき、catとless、viを目的に応じて切り替えることで、より効率的に作業を進められます。
短い設定ファイルをさっと確認したいだけなのに、毎回viで開いて閉じ方に困ってしまうという話もよく聞きます。
表示だけなのか、編集も必要なのかをまず切り分けるのがポイントです。
短いファイルはcatで一気に表示する
catは、ファイルの内容を画面にそのまま流し込んで表示するLinuxコマンドです。
短い設定ファイルやメモ程度のテキストなら、catでファイル名を指定するだけで全体を一度に確認できます。
入力例は「cat memo.txt」のようにシンプルで、覚えやすいのも特徴です。
ただし行数が多いファイルにcatを使うと、画面に表示が流れて先頭部分が見えなくなってしまいます。
数十行を超えるようなログファイルや設定ファイルには向いていないので、そこは後述のlessに任せた方が扱いやすくなります。
ファイルの中身を書き換えたいわけではなく、ただ確認したいだけならcatで十分な場面が多いです。
編集の必要がない場面でわざわざviを開く手間を省けるという意味でも、まずcatから試す習慣をつけておくと作業がスムーズになります。
長いログはlessやtail -fでスクロール・追従表示する
lessは、画面に収まらない長いファイルをスクロールしながら読めるLinuxコマンドです。
矢印キーやスペースキーで前後に移動でき、「/検索したい文字」と入力すればファイル内を検索することもできます。
終了はqキー一つで戻れるので、開いたまま迷うことも少ないです。
アクセスログやエラーログのように行数が多いファイルは、catで開くと表示が流れて必要な部分を見失いがちです。
lessなら一画面ずつ確認できるため、大きなログファイルを扱う際に、lessが活躍する傾向があります。
リアルタイムで追記されていくログを監視したい場合は、tail -fコマンドが役立ちます。
tail -fは、ファイルの末尾を表示したまま新しい行が追加されるたびに自動で追従表示してくれるので、動作中のサーバの様子を眺めながら作業を続けられます。
- cat の使用例:cat access.log(短いファイルを一度に表示)
- less の使用例:less access.log(スクロールしながら閲覧・検索)
- tail -f の使用例:tail -f access.log(追記をリアルタイムに追従)
viは入力モードとコマンドモードの切り替えが基本
viは、Linuxサーバに標準で入っていることが多いテキストエディタで、ファイルの内容を実際に書き換えたいときに使うコマンドです。
viの操作で戸惑いやすいのは、コマンドモードと入力モードという2つの状態を切り替えながら使う点です。
この仕組みを最初に理解しておくと、迷いにくくなります。
ファイルを開いた直後はコマンドモードになっていて、この状態で文字を打つと入力ではなく操作の指示として扱われます。
文字を書き込みたいときはiキーを押して入力モードに切り替え、書き終えたらEscキーを押してコマンドモードに戻る、という流れが基本になります。
入力モードのままキーを押し続けてしまい、意図しない文字が紛れ込む可能性があります。
保存して終了するときは「:wq」と入力し、変更を保存せずに終了したいときは「:q!」を使います。
この2つのコマンドをセットで覚えておくと、うっかり変更した内容を元に戻せず困る場面を減らせます。
ちなみに、閲覧だけしたい場面でviを開くのは手間が増えるだけです。
編集が不要ならcatやlessで済ませ、実際に書き換える必要があるときだけviを開くという使い分けが、結果として作業を軽くしてくれます。
grepで大きなファイルから必要な行だけ抜き出す
grepは、ファイルの中から指定した文字列を含む行だけを検索して表示するLinuxコマンドです。
長いログファイルの中から特定のエラー文言だけを探したいとき、先頭から目で追うよりずっと早く目的の行に辿り着けます。
基本の書き方は「grep 検索したい文字列 ファイル名」で、例えば「grep error access.log」と入力すれば、access.logの中からerrorという文字を含む行だけが一覧表示されます。
大文字と小文字を区別しないで検索したい場合は、grepに-iオプションを付けて「grep -i error access.log」とすると、ErrorやERRORのような表記もまとめて拾ってくれます。
膨大な行数のログから必要な情報だけを絞り込める点が、grepの活用場面です。
lessと組み合わせて「less access.log」で開いた後に検索する方法もありますが、あらかじめ絞り込みたい文字列が決まっているならgrepの方が手早く目的の行に到達できます。
catやless、grepはあくまで内容を確認するためのコマンドで、ファイルの中身そのものを書き換えるものではありません。
表示と検索の用途と、viによる編集の用途を使い分けておくと、目的に合わないコマンドを開いて手間取ることが少なくなります。
権限変更はchmodで行い、所有者の変更はchownが担当する
ファイルやディレクトリに設定された権限を変えたい場合、chmodというコマンドを活用できます。
誰が読み書きや実行をできるかを調整する場面は多く、所有者そのものを変えたい場合はchownという別のコマンドが担当します。
この2つはセットで覚えておくと、サーバ管理の基本的な操作にひととおり対応できます。
ls -lで表示される権限表記の読み方を押さえる
権限を変更する前に、まず今の状態を確認する癖をつけておくと安心です。
ターミナル上で「ls -l」と入力すると、ファイル名の前に「-rwxr-xr-x」のような文字列が表示されます。
この並びが権限の内容を表しています。
先頭の1文字はファイルかディレクトリかを示す部分で、ディレクトリなら「d」、通常のファイルなら「-」になります。
続く9文字が3文字ずつ3組に分かれており、それぞれ所有者・グループ・その他のユーザーに対する権限を表しています。
「r」は読み取り、「w」は書き込み、「x」は実行を意味し、権限がない部分は「-」で表示されます。
例えば「rwxr-xr-x」であれば、所有者は読み書き実行のすべてができ、グループとその他のユーザーは読み取りと実行だけができる状態です。
この読み方が分かると、次に紹介するchmodの数字指定がすっと理解しやすくなります。
chmodは755や644などの数字指定が手早い
権限を変えるときに使いやすいのが、755や644のような数字を使った指定方法です。
読み取りを4、書き込みを2、実行を1として、必要な権限の数字を足し合わせることで所有者・グループ・その他の権限をまとめて表せます。
例えば「chmod 755 sample.sh」と入力すると、所有者には読み書き実行のすべて、グループとその他のユーザーには読み取りと実行の権限が設定されます。
スクリプトファイルを実行できるようにしたいときに使われる組み合わせです。
一方、通常のテキストファイルであれば「chmod 644 memo.txt」のように、所有者だけ書き込みも許可し、それ以外は読み取りのみとする指定が使われます。
数字の組み合わせを一覧にすると、目的に応じた権限が分かりやすくなります。
| 数字 | 意味 | 使われる場面の例 |
|---|---|---|
| 644 | 所有者は読み書き、グループとその他は読み取りのみ | 通常のテキストファイルや設定ファイル |
| 755 | 所有者は読み書き実行、グループとその他は読み取りと実行 | スクリプトファイルや共有ディレクトリ |
| 700 | 所有者のみ読み書き実行が可能 | 個人用の作業ファイルや秘密度の高いスクリプト |
ここで気をつけたいのが、権限をゆるくしすぎてしまうケースです。
chmod 777のように誰でも書き込みや実行ができる状態にすることで、意図しない変更やアクセスのリスクが高まる可能性があります。
困ったときの安易な解決策として777を使うのは避け、必要な範囲だけ権限を広げる考え方を基本にしておくとよいでしょう。
u+xのような記号指定なら一部の権限だけ足せる
数字指定はまとめて権限を書き換えるのに向いていますが、今ある権限の一部だけを変えたいときは記号を使った指定が便利です。
所有者を表す「u」、グループを表す「g」、その他のユーザーを表す「o」、全員を表す「a」に、権限を追加する「+」や取り除く「-」を組み合わせて使います。
例えば「chmod u+x script.sh」と入力すると、所有者にだけ実行権限が追加されます。
他の権限はそのまま残るので、読み書きの設定を変えずに実行だけ許可したいという場面で役立ちます。
反対に「chmod g-w memo.txt」とすれば、グループから書き込み権限だけを取り除けます。
数字指定は全体を上書きし、記号指定は一部だけを調整できる</mark という違いを認識しておくことで、場面に応じた使い分けがしやすくなります。
すでに設定されている権限を確認したうえで、必要な部分だけ足したり外したりしたいときは記号指定、まとめて設定し直したいときは数字指定という選び方が分かりやすいでしょう。
chownとchgrpで所有ユーザーとグループを切り替える
権限の内容だけでなく、そもそも誰の持ち物になっているかを変えたい場合はchownを使います。
「chown user1 sample.txt」と入力すると、sample.txtの所有者がuser1に切り替わります。
所有者とグループを同時に変えたいときは「chown user1:group1 sample.txt」のようにコロンで区切って指定します。
グループだけを変更したい場合はchgrpというコマンドも用意されています。
「chgrp group1 sample.txt」と入力すれば、所有者はそのままでグループだけがgroup1に変わります。
複数人で同じファイルを扱う環境では、グループ単位で権限を管理する場面が多く、chgrpが役立つ場面もあります。
所有者やグループの変更は、システム上の管理情報を書き換える操作にあたるため、一般ユーザーの権限だけでは実行できないことが多いです。
多くの環境ではsudoを付けて「sudo chown user1 sample.txt」のように実行する形が取られています。
必要な操作のときだけsudoを使う形にしておくと、誤操作による影響を抑えやすくなります。
Tera Termはポータブル版を解凍してttermpro.exeを実行すれば使い始められる

ここからはLinuxコマンドの話から離れ、Tera Term自体の準備について整理します。
Tera Termは、ポータブル版を解凍してttermpro.exeを実行することで、使い始められます。
インストール作業を省けるため、会社のパソコンや共有のパソコンでも手軽に試せる点が特徴です。
インストーラ版とポータブル版は使う環境で選ぶ
Tera Termには、インストーラ版とポータブル版の2種類が用意されているとされています。
インストーラ版はパソコンにインストールして使う形で、一度導入すればスタートメニューなどからすぐに呼び出せるのが利点です。
一方のポータブル版は、圧縮ファイルを解凍するだけで使える形になっています。
インストール作業を行わずに済むため、USBメモリに入れて持ち歩いたり、権限の関係でソフトのインストールがしづらい環境で使ったりする場合に向いています。
どちらを選ぶかは、使う環境によって決めるとわかりやすいです。
自分専用のパソコンで長く使うならインストーラ版、いろいろなパソコンで一時的に使うならポータブル版、というイメージで選び分けると失敗しにくいです。
なお、配布ページの構成やファイル名は変わることがあるため、入手先は公式サイトなど信頼できる配布元から確認することをお勧めします。
最新の情報は公式サイトや配布元のページでご確認ください。
解凍したフォルダのttermpro.exeから起動する
ポータブル版を使う場合は、ダウンロードした圧縮ファイルを解凍してできたフォルダの中を確認します。
フォルダの中には複数のファイルが入っていますが、起動に使うのは「ttermpro.exe」という実行ファイルです。
このttermpro.exeをダブルクリックすると、Tera Termの画面が立ち上がります。
インストール作業を行っていないため、パソコンの中に特別な設定情報が残りにくく、後片付けがしやすいのもポータブル版らしい特徴です。
起動した直後は、新しい接続を作るための画面が表示されることが多いです。
ここでホスト名やIPアドレスを入力していく流れになりますが、この部分は別のセクションで扱う内容のため、ここでは起動までの手順に留めます。
フォルダの中身を一部だけ移動したり削除したりすることで、起動できなくなる可能性があります。フォルダごと扱うようにするとより安定しやすいです。
ショートカットを作る場合も、フォルダ自体は元の場所に置いたままにしておく形がトラブルを避けやすいです。
フォント・文字コード・スクロール行数を先に整える
Tera Termを使い始める前に、表示に関する設定を一度整えておくと、後の作業が見やすくなります。
特に文字コードとフォント、スクロールバッファの行数は、最初に触れておきたい項目として挙げられます。
文字コードがずれていると、日本語のファイル名やコメントが文字化けして表示される場合があります。
設定画面から接続先の環境に合わせた文字コードを選んでおくことで、表示のずれを減らせます。
フォントについても、見やすい大きさや種類に変更しておくと、長時間の作業でも目が疲れにくくなります。
数字とアルファベットの区別がしやすいフォントを選んでおくと、コマンドの入力ミスにも気づきやすくなります。
下の表に、最初に見直しておきたい項目の目安をまとめます。
| 設定項目 | 見直す理由の目安 |
|---|---|
| 文字コード | 日本語表示の文字化けを防ぐ目安として確認する |
| フォント | 数字とアルファベットを見分けやすくする目安として調整する |
| スクロールバッファ行数 | 過去のログをどこまで遡れるかの目安として増やしておく |
これらの設定は作業を始める前にまとめて整えておくと、後から画面が見にくくて困る場面を減らせます。
設定した内容を保存しておく方法については、別のセクションで改めて触れます。
SSH接続はホスト欄にIPアドレスを入れてSSH2を選ぶだけで始まる

Tera Termから接続先のLinuxサーバへつながるまでの流れは、ホスト欄に接続先の情報を入れてSSH2を選ぶだけです。
難しい設定を細かく調整する場面は少なく、最初の数項目を順番に埋めていけば接続画面まで進めます。
ここでは新規接続時に見るべき項目を、順番に整理していきます。
新しい接続画面でホスト名またはIPアドレスを指定する
Tera Termを起動すると、最初に新しい接続の設定画面が表示される場合があります。
この画面のホスト欄に、接続したいサーバのIPアドレスまたはホスト名を入力します。
ここで指定する情報が、これから操作しようとしている接続先のLinux側の住所にあたる部分です。
IPアドレスは「192.168.1.10」のように数字とピリオドで表された文字列で、ホスト名はサーバに付けられた名前のことです。
どちらを使うかは接続先の環境によって異なるため、事前にサーバの管理者や設定資料から確認しておくと入力の迷いが減ります。
入力欄に全角スペースが混ざると接続に失敗しやすいので、コピー&ペーストした際は余分な空白が入っていないか見直しておくと安心です。
ここで指定するのはあくまで接続先の情報であり、手元のパソコンの設定ではない点も押さえておきたいところです。
サービスはSSH、ポートは22を基本にする
ホストの下にはサービスの選択項目があり、ここではSSH(SSH2)を選ぶことが基本になります。
SSH2は通信内容を暗号化してやり取りする仕組みで、IDやパスワードが途中で読み取られにくい形で送られます。
同じ画面にはTelnetという選択肢が並んでいることもありますが、Telnetは通信が暗号化されず、IDやパスワードが平文で流れるため、既定の接続手段としては推奨できない方式です。
特別な理由がない限り、SSH2を選んでおく形で問題ありません。
TCPポート番号については、特に指定がなければ22が既定値として使われます。
下の表に、接続時によく目にする項目の目安をまとめます。
| 項目 | 入力の目安 |
|---|---|
| ホスト | 接続先サーバのIPアドレスまたはホスト名 |
| サービス | SSH(SSH2)を選ぶ |
| TCPポート | 既定の22を基本にする |
サーバ側の設定でポート番号が変更されている場合もあるため、接続がうまくいかないときはこの番号も確認しておくと原因の切り分けがしやすくなります。
ユーザー名とパスワード(または公開鍵)で認証する
ホストとサービスを指定して次に進むと、認証画面でユーザー名とパスワードの入力を求められます。
これは接続先のLinux側に用意されたアカウント情報で、Windows側のログイン情報とは別物として扱う必要があります。
パスワードを入力する方法のほかに、公開鍵認証という方式を使う場合もあります。
公開鍵認証は、事前に作成した鍵のペアを使って本人確認を行う仕組みで、パスワードを毎回入力しなくても接続できる形が取れます。
ユーザー名やパスワードを誤って入力すると認証に失敗するだけでなく、接続先の設定によっては一定回数でロックがかかる場合もあるため、入力欄の見直しは落ち着いて行いたいところです。
特に大文字と小文字の区別があるパスワードは、入力ミスが起きやすい部分でもあります。
認証方式は接続先の管理者が決めていることが多く、どちらの方式を使うかは事前に確認しておくとスムーズです。
認証が済むと、いよいよ接続先のLinux側を操作する画面に切り替わります。
接続先が仮想マシンならネットワーク設定とIPを先に確認する
接続先が物理的なサーバではなく仮想マシンの場合、ホスト欄に入力するIPアドレスは仮想マシン側に割り当てられたものになります。
仮想マシンの設定によってIPアドレスが変わる場合もあるため、接続前に一度確認しておくと入力ミスを防げます。
仮想マシンのネットワーク設定には、手元のパソコンと同じネットワークとして扱う方式や、内部だけで通信する方式などいくつかの種類があります。
設定によっては手元のパソコンから仮想マシンへ届かない状態になっていることもあるため、接続できない場合はこの部分も見直しの対象になります。
仮想マシン側でIPアドレスを確認する際は、接続先のLinux上でネットワーク情報を表示するコマンドを使う場面もあります。
この記事の前半で触れたコマンド操作の延長として扱えるため、必要であればそちらも参考にしてみてください。
ネットワークとIPアドレスの状態を先に確認しておくと、Tera Term側の設定が正しくても接続できないという状況を避けやすくなります。
接続先が変わるたびに一度この確認を挟んでおくと、その後の作業が落ち着いて進められます。
TTLマクロを使えば定型のログイン作業を自動実行できる
毎回同じ手順でログインしているなら、TTLマクロを使うことでその一連の作業を自動で流せます。
TTLマクロはTera Term自体を操作するための仕組みで、接続先のLinuxで動くコマンドとは別物です。
ここからは、接続先OSのコマンドではなくTera Term側の自動化機能について説明します。
connectやsendlnなど通信系コマンドで接続と入力を自動化する
TTLマクロの中心になるのが、接続そのものを行うconnectと、文字列を送り込むsendlnです。
connectにホスト名やポート、認証方式などを指定しておけば、Tera Termを起動してからホストを選ぶ操作を省けます。
接続が済んだあとは、sendlnでユーザー名やコマンドを1行ずつ送り込みます。
sendlnは末尾に改行を付けて送信するコマンドなので、Enterキーを押す動きをそのまま再現できるイメージです。
例えば、決まった作業ディレクトリに毎回移動してからログを確認するような流れは、connectとsendlnを組み合わせるだけで再現できます。
接続からコマンド入力までを一続きの処理にできる点が、TTLマクロを使う大きな理由です。
ただし、送り込む内容が多くなるほどマクロファイルも複雑になります。
最初は数行の短いマクロから作り、動作を確認しながら少しずつ増やしていくと扱いやすいです。
waitやpauseで応答待ちを入れて処理を安定させる
connectやsendlnを並べただけのマクロは、接続先の応答が遅れたタイミングでうまく動かないことがあります。
そこで使うのがwaitとpauseで、これらは処理を止めて次のステップに進むタイミングを調整する役割を持ちます。
waitは、指定した文字列が画面に表示されるまで待つコマンドです。
例えばログインプロンプトが出るまでwaitで待機し、表示されたタイミングでsendlnを実行するといった使い方が基本になります。
pauseは、文字列の有無にかかわらず一定時間そのまま待つコマンドです。
回線の状態によって応答速度が変わる場面では、waitだけでなくpauseも組み合わせておくと処理が安定しやすくなります。
- waitは「特定の文字列が出るまで待つ」コマンド
- pauseは「決めた時間だけ待つ」コマンド
- 両方を組み合わせると応答の揺れに強くなる
strmatchやstrcopyなど文字列操作コマンドで出力を判定する
マクロを一歩進めると、画面に表示された文字列を読み取って処理を分けたい場面が出てきます。
ここで役立つのがstrmatchやstrcopyといった文字列操作系のコマンドです。
strmatchは、指定したパターンと一致する文字列が画面上にあるかどうかを判定するコマンドです。
ログインに成功した場合と失敗した場合で表示される文言が違うようなケースでは、strmatchで結果を見分けてから次の動作を分岐させられます。
strcopyは、画面の表示内容から必要な部分だけを取り出して変数に入れるコマンドです。
取り出した文字列は、後続のsendlnやログ出力に利用できるため、単純な連続入力よりも柔軟な処理が組めます。
これらのコマンドは最初から使いこなす必要はなく、connectとsendln、waitだけでも定型作業の自動化は十分に成立します。
慣れてきたタイミングで、必要に応じて取り入れていく形で問題ありません。
passwordコマンドでパスワードを平文で書かずに管理する
TTLマクロを組む際にもっとも注意したいのが、パスワードの扱いです。
マクロファイルにパスワードをそのまま書き込んでしまうと、ファイルが誰かの目に触れた時点で認証情報がそのまま渡ってしまいます。
マクロにパスワードを平文で書くことは避けてください。
代わりに使うのがpasswordコマンドで、暗号化されたパスワードファイルを参照する形で認証情報を扱えます。
passwordコマンドを使う場合は、あらかじめ暗号化したパスワードファイルを用意し、マクロ側からはそのファイルを読み込む記述にとどめます。
ファイル自体を安易に共有しない運用と組み合わせることで、平文管理よりも安全性を高めやすくなります。
公開鍵認証が使える環境であれば、そちらを優先する考え方もあります。
パスワードを直接書かずに済む仕組みを選ぶことが、TTLマクロを日常的に使い続けるうえでの前提になります。
メニュー操作からもマクロ実行やファイル転送のコマンドを呼び出せる

Tera Termのよく使う操作の多くは、キーボードで入力しなくてもメニューから呼び出せます。
コマンドの文字列を覚えていなくても、画面上部のメニューをたどるだけでログ取得やファイル転送、マクロ実行といった作業に手が届きます。
ここでは[File]・[Edit]・[Setup]の3つのメニューを中心に、コマンド入力の手間を減らす使い方を見ていきます。
[File]メニューからログ取得・SSH SCP・マクロ実行を選ぶ
[File]メニューには、接続後の作業でよく使う機能がまとまっています。
ログの記録開始や停止、SSH経由でのファイル転送(SSH SCP)、TTLマクロの実行などがここから選べます。
コマンドラインで細かい指定を書かなくても、画面をクリックしていくだけで同じ作業に入れる点が特徴です。
たとえば作業中にログを残したくなった場合、[File]メニューから記録開始を選ぶだけで以降のやり取りがファイルに保存されます。
SSH SCPを使ったファイル転送も同じメニューから呼び出せるため、接続先サーバとの間でファイルをやり取りする際にわざわざ別のソフトを立ち上げる必要がありません。
- ログの記録開始・停止
- SSH SCPによるファイル送受信
- TTLマクロファイルの実行
- 接続の切断・再接続
[File]メニューは一見小さな入口ですが、接続中に必要な操作の大半をここから呼び出せるようになっています。
コマンドを打つ手が止まったときは、まずこのメニューを開いてみると目的の機能が見つかりやすいです。
[Edit]メニューのコピー&ペーストで長いコマンドを流し込む
[Edit]メニューは、画面上の文字列をコピーしたり、クリップボードの内容を貼り付けたりするための機能をまとめたものです。
長いLinuxコマンドやオプションを何度も手入力するのは手間がかかりますし、途中で一文字でも打ち間違えるとエラーになってしまいます。
そこで役立つのが、あらかじめ用意しておいたコマンド文字列を貼り付ける方法です。
たとえばメモ帳などに長いコマンドを控えておき、それをコピーしてTera Termの画面に貼り付ければ、タイプミスの心配をせずに実行できます。
特にディレクトリのパスが長い場合や、オプションを複数組み合わせる場合には、この方法が地味に効いてきます。
貼り付ける文字列に余分な改行や全角スペースが混ざっていると、意図しない場所でコマンドが実行されてしまうため、貼り付け後は一度内容を確認する習慣をつけておくと安心です。
特にコピー元が別のアプリやウェブページの場合は、見た目では気づきにくい空白が入り込むことがあります。
[Edit]メニューは単純な機能に見えますが、コマンド入力の正確さを支える地味に頼れる存在です。
マウス操作だけで済むぶん、キーボード入力に不慣れな場面でも扱いやすい点も利点といえます。
[Setup]メニューの設定は保存しないと次回に引き継がれない
[Setup]メニューでは、フォントや文字コード、キー割り当てといった表示・操作に関する設定を変更できます。
これらの設定は一度変更しただけでは一時的なものにとどまり、Tera Termを終了すると元に戻ってしまう場合があります。
設定を次回の起動時にも引き継ぎたい場合は、保存の操作を忘れずに行う必要があります。
具体的には、[Setup]メニュー内にある設定保存の項目を選び、設定ファイルとして書き出す形になります。
この設定ファイルを起動時に読み込むよう指定しておけば、次にTera Termを開いたときも同じ表示・同じ操作感で使い始められます。
| 操作 | 反映される範囲 |
|---|---|
| 設定変更のみ | 今回のセッション中だけ |
| 設定を保存 | 次回起動時にも引き継がれる |
この保存の仕組みを知らないと、毎回同じ設定をやり直すことになりかねません。
一度整えた環境は保存しておくことで、次回から同じ手間をかけずに使い始められます。
特に複数の接続先を扱う場合は、接続先ごとに設定を保存しておくと切り替えがスムーズになります。
ログ自動保存と履歴呼び出しを設定すると入力の手間とミスが減る
Tera Termの操作記録は、設定を整えておくだけで自動的に残せます。
ログの自動保存や履歴の呼び出し、入力補完といった機能を組み合わせると、同じコマンドを何度も打ち直す手間が減り、入力ミスも防ぎやすくなります。
ここではその具体的な設定と使い方を見ていきます。
ログの自動開始を設定して実行内容と出力を残す
Tera Termには、接続した瞬間からログを記録し始める機能があります。
手動でログ取得を選ぶ操作を省略できるため、記録し忘れを防げるのが大きな利点です。
作業のたびにメニューを操作する必要がなくなり、接続してすぐに作業へ移れます。
この機能は[Setup]メニュー内の設定項目から有効にでき、有効にした状態を設定ファイルとして保存しておけば次回以降も同じ動作を引き継げます。
設定の保存自体は前のセクションで触れた仕組みと同じ考え方です。
ログ機能はその設定の一部として位置づけると理解しやすくなります。
作業内容を後から振り返りたい場面や、接続先で実行したコマンドと出力結果を突き合わせたい場面では、この自動保存が役立ちます。
特に複数人で同じ接続先を扱う場合、誰が何を実行したかを確認する材料としても使えます。
ログを残しておくと後からの確認作業がぐっと楽になります。
ログファイル名に日付や接続先を含めて整理する
ログは自動で保存されても、ファイル名がすべて同じだと後から見分けがつかなくなります。
そこで、ファイル名に日付や接続先の名前を含める形にしておくと整理がしやすくなります。
Tera Termの設定では、ログファイル名にあらかじめ決めた文字列や日時の情報を組み込む指定ができます。
例えば「接続先名+日付」のような命名にしておけば、フォルダ内で並べたときに一目でどの作業ログか判別できます。
複数の接続先を切り替えながら作業する人ほど、この整理の効果を実感しやすい部分です。
命名ルールは次のような形で整理しておくと管理しやすくなります。
- 接続先名を先頭に置く(例: server1、server2)
- 日付を含める(例: 20240115のような形式)
- 用途がわかる語を末尾に添える(例: setup、check)
こうしたルールを決めておくと、ログファイルが増えてきたときの検索や整理が楽になります。
設定はほかの項目と同様に保存しておかないと次回に引き継がれない点も、前のセクションで触れた保存の考え方と共通しています。
↑↓キーとhistoryコマンドで過去の入力を再利用する
接続先のLinuxコマンドを何度も打ち直すのは手間がかかります。
そこで役立つのが、キーボードの↑↓キーによる履歴呼び出しと、Linux側のhistoryコマンドです。
この2つはどちらも接続先のシェルが持つ機能であり、Tera Term自体の機能ではない点を押さえておく必要があります。
↑キーを押すと直前に実行したコマンドが表示され、さらに押すとそれより前の履歴をさかのぼれます。
長いオプション付きのコマンドを打ち直す場面では、この操作だけでかなりの時間を省けます。
逆に↓キーを使えば、さかのぼった履歴から新しい方向へ戻れます。
historyコマンドを実行すると、これまで入力したコマンドの一覧が番号付きで表示されます。
番号を指定して呼び出す方法もあり、長い履歴の中から目的のコマンドを探すときに便利です。
過去の入力を使い回せる仕組みを知っておくと作業効率が変わってきます。
ただし履歴には、削除や権限変更のような操作を含むコマンドもそのまま残ります。
履歴から呼び出してそのまま実行すると、状況が変わっているのに気づかず同じコマンドを流してしまうことがあります。
呼び出した内容は実行前に必ず見直す習慣をつけておくと安心です。
Tabキーの補完でパス入力のタイプミスを防ぐ
ファイルやディレクトリのパスを手入力すると、綴りの間違いや大文字小文字の取り違えが起こりやすくなります。
Linuxコマンドはこの区別を厳密に扱うため、一文字でも違うと目的の場所を指せません。
ここで役立つのがTabキーによる補完です。
ディレクトリ名やファイル名の先頭部分を入力してTabキーを押すと、候補が一つならそのまま補完され、複数あれば候補の一覧が表示されます。
手打ちする文字数が減るぶん、タイプミスの起こる余地そのものが小さくなる仕組みです。
特に長いパスや似た名前のファイルが並んでいる場面では、補完機能の効果がはっきり出ます。
候補が絞られない場合は、もう数文字入力してから再度Tabキーを押すと候補が減っていきます。
補完に頼らず手入力だけで長いパスを打つと、途中の一文字を見落として意図しない場所を操作してしまうことがあります。
特に削除や権限変更を伴う操作では、補完で候補を確認しながら入力し、実行前にlsなどで対象を見直す手順を組み合わせておくと安心です。
Tera Termとコマンドプロンプトは「接続先のOSを操作するか手元のWindowsを操作するか」で使い分ける

Tera Termとコマンドプロンプトは、操作する対象がそもそも違う道具です。
Tera TermはSSHなどで接続した先のサーバ、たとえばLinuxを操作するための窓口であり、コマンドプロンプトは手元のWindowsパソコン自体を操作する標準ツールです。
どちらが優れているという話ではなく、今やりたい作業がどちら側のものかで選ぶだけと考えると分かりやすくなります。
Tera TermはSSHでサーバ側のLinuxを操作する端末ソフト
Tera Termは、SSHという暗号化された通信でサーバに接続し、その先にあるLinuxなどのOSを操作するための端末ソフトです。
これまでのセクションで扱ったpwdやls、chmodといったコマンドはすべて、Tera Termの機能ではなく接続先のLinux側が持っている機能です。
Tera Term自体は文字のやり取りを中継しているだけで、コマンドを実行しているのは常にサーバ側だという点は改めて意識しておきたいところです。
この理解があると、Tera Termが固まったように見えるときに「サーバ側の処理が重いのか」「通信が切れているのか」と原因を分けて考えやすくなります。
また、Tera Termで使えるLinuxコマンドの範囲は、接続先のサーバに入っているシェルやコマンド群に依存します。
同じTera Termを使っていても、接続先が変われば使えるコマンドや挙動が変わることもあるので、その都度サーバ側の環境を確認する姿勢が役に立ちます。
コマンドプロンプトは手元のWindowsを操作する標準ツール
一方のコマンドプロンプトは、今使っているWindowsパソコンそのものを操作する標準ツールです。
Tera Termを起動する前の準備や、ネットワークの状態を手元で確認したいときなど、サーバに接続する手前の作業で活躍します。
コマンドプロンプトで使うコマンドは、dirやcdなどWindows向けのコマンド体系になっており、Tera Termの先でLinuxに向けて打つコマンドとは別物です。
Linuxコマンドをコマンドプロンプトにそのまま入力しても動かないため、今どちらの画面に向けて入力しているかを見落とさないようにしたいところです。
普段からTera Termとコマンドプロンプトの両方を開いて作業する人も多く、画面のタイトルバーや背景色を変えるなどして見分けやすくしておくと、入力先を間違えにくくなります。
pingやipconfigなどネットワーク確認はコマンドプロンプトが早い
Tera Termでサーバに接続できないとき、まず手元のネットワーク状態を確認したい場面では、コマンドプロンプトの出番になります。
pingで相手先までの応答を確認したり、ipconfigで自分のパソコンのIPアドレスや設定を表示したりする作業は、Tera Termの中からではなく手元のWindows側で行うものです。
以下は、代表的な確認コマンドと役割の目安です。
| コマンド | 実行する場所 | 確認できることの目安 |
|---|---|---|
| ping | コマンドプロンプト | 指定した相手先までの応答があるかどうか |
| ipconfig | コマンドプロンプト | 自分のパソコンのIPアドレスなどの設定 |
| pwd・ls | Tera Term経由でサーバ側 | 接続先サーバの現在位置やファイル一覧 |
Tera Termで接続がうまくいかないときに、いきなりサーバ側の設定を疑うよりも先に、手元のネットワークがつながっているかをコマンドプロンプトで確認しておくと、原因の絞り込みがスムーズになる場合があります。
サーバ管理を続けるならTera Termの設定ファイルを保存して再利用する
Tera Termでの接続やログの設定を毎回入力し直すのは手間がかかるため、設定を保存しておいて次回以降に読み込む使い方が向いています。
ホスト名やポート、フォントやログの設定などを保存しておくことで、次回からは接続先を選ぶだけで同じ環境を再現できます。
設定を保存する際は、パスワードなど認証情報を平文でファイルに残さない形を選ぶことが大切です。
公開鍵認証や、これまでのセクションで触れたpasswordコマンドによる暗号化ファイルの利用と組み合わせておくと、設定ファイルだけが手元に残っても認証情報がそのまま漏れる心配を減らせます。
複数のサーバを管理している場合は、接続先ごとに設定を分けて保存しておくと、切り替えのたびに毎回入力し直す手間がなくなります。
手元のWindows側の作業はコマンドプロンプト、接続先のLinux側の作業はTera Termという役割分担を保ったまま、それぞれの設定や履歴を整理しておくと、サーバ管理を継続していく際の負担が小さくなります。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- Tera Termでよく使うコマンドは、まずpwd・cd・ls・manの4つから覚えると基本操作がつかみやすい
- ファイル操作はmkdir・cp・mv・rmを組み合わせれば作成から削除まで一通り行える
- ファイルの中身の確認はcatとlessを使い分け、編集が必要なときだけviをコマンドモードと入力モードの切り替えで使う
- 権限変更はchmod、所有者の変更はchownが担当し、必要最小限の権限を意識する
- Tera Termはポータブル版を解凍してttermpro.exeを実行するだけで使い始められる
- SSH接続はホスト欄にIPアドレスやホスト名を入れ、SSH2を選んで認証情報を入力すれば始まる
- TTLマクロを使うと、connectやsendlnなどでログイン作業を自動化できる
- メニュー操作からもログ取得やファイル転送、マクロ実行などのコマンドを呼び出せる
- Tera Termは接続先のLinuxを操作する窓口、コマンドプロンプトは手元のWindowsを操作するツールという役割の違いで使い分ける
Tera Termで使うコマンドは、接続先のLinuxサーバを操作するためのコマンドと、Tera Term自体を自動で動かすためのTTLマクロコマンドという、性質の異なる2種類があることを押さえておくと理解がスムーズになります。
最初はpwdやls、cdといった基本操作から触れてみて、ファイルの中身の確認や編集、権限変更へと少しずつ範囲を広げていくと、無理なくコマンドの使い方が身についていくはずです。
SSH接続やTTLマクロによる自動化は、日々の作業を楽にしてくれる一方で、パスワードの扱いなど注意しておきたい点も含まれているので、この記事で紹介した考え方を参考にしながら、安全な形で取り入れてみてください。
Tera Termとコマンドプロンプトは、どちらが優れているというものではなく、操作したい対象がサーバ側のLinuxか、手元のWindowsかによって自然に使い分けるものだと考えると、混乱せずに使い分けられるようになるでしょう。
実際の画面や設定項目、コマンドの細かな挙動については、Tera Termや接続先の環境によって表示や挙動が異なる場合があるため、気になる点があれば公式サイトや手元の環境で確認しながら、少しずつ試していくのがおすすめです。

